ほこり)” の例文
たれかやったのか。誰だ、誰だ、今ごろ。なんだ野火か。地面のほこりをさらさらさらっと掃除する、てまへなんぞに用はない。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
彼は乞食こじきのやうに、ぼろぼろの着物を着、手足はあかほこりと日焼けのために黒かつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
不安な気持ちが揺り動かす日本の都会の若さと溌剌はつらつさ。ほこりだらけの円タクが加奈子を突倒しでもするように乗りつけて来てブレーキをかけても異様な音と共に一二すん乾いた土の上を滑る。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ほこりの多い床板の上を歩きながら、フェノロサの本の插絵にある壊れた仏像の堆積を思い出して、本尊の裏手の廊下のようなところをのぞいて見た。壊れた仏像はまだ随分多く残っていた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たれかやったのか。誰だ、誰だ、今ごろ。なんだ野火か。地面のほこりをさらさらさらっと掃除そうじする、てまえなんぞに用はない。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
(さよなら。ひよっこさん。大きなまちのほこりの中だ。くるくる廻ってへたばらないやう御用心。)
電車 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)