“きょうじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
矜持39.5%
凶事12.8%
驕児10.5%
矜恃8.1%
経師8.1%
衿持5.8%
脇士3.5%
脇侍2.3%
侠児2.3%
兇事1.2%
教示1.2%
杏二1.2%
梟示1.2%
矜特1.2%
衿恃1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ティボー自身は必ずしもこれに矜持きょうじを有することなく、バッハの『協奏曲=ホ長調』のごときは、日本におけるプログラムに載せながら
嘲笑あざわらうように、また揶揄やゆするごとく、くっきり浮き上っているのが、まことに凶事きょうじそのもののように、不気味に見える。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それ勝敗は兵家の常なり。蘇東坡そとうば所謂いわゆるえきする者も日に勝って日にやぶるゝものなり。然るに一敗の故を以て、老将を退け、驕児きょうじを挙ぐ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
決してその好意にすがろうとはせず、われなく人の合力ごうりきを求めるのはいやであると云う、矜恃きょうじを持っているかに見えた。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そのほか、鍛冶かじ石工いしく、左官、錺師かざりし経師きょうじなどにいたるまで、天下の工人の代表的な親方はみな腕のきそいどころと一門をすぐって来ていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子供に現金を持たせて買い物をさせるなどは下司げすの貧乏人のすることで、上品な金持階級のすることでない。こういうのが祖母達の処世哲学であり、衿持きょうじでもあった。
建仁元年のこと左衛門志さえもんのさかん藤原宗貞という者がその妻の惟宗の子女と共に一寺を建立し、阿弥陀を本尊にし、脇士きょうじには観音と地蔵とを安置し、事のついでをもって法然に供養を頼んだところ法然が
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かつて素人芝居しろうとしばいがあった時、この楼の主人が文覚勧進帳もんがくかんじんちょうの不動明王にふんして、二人がその脇侍きょうじの二童子をつとめたところから、その名が起ったものであります。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女には男あつかいされぬ君子くんしも、山野さんや侠児きょうじにはしたわれる事
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さっき、かれがふと意識した脈音のみだれは、この兇事きょうじの来たることを肉体の持主に予察させた霊感の微妙であったろうか。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
学者は日常他人に教示きょうじするくせをもってくらす。その気持ちのリズムにうて、暮さなければ夫の心情しんじょうを荒らす。妻も大方おおかたのことは生徒になりたる態度をもって、夫に対侍たいじすべし。
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
なぜかハッとして拾い上げてみると、表には「河村杏二きょうじ様」とあって裏には「青木雄麗」と書きながしてあった。
二賊首はすぐさま京城に送られ、改めて軍民に梟示きょうじして、おおいに戦勝を祝賀した。
撥陵遠征隊 (新字新仮名) / 服部之総(著)
傲岸ごうがんと、矜特きょうじとが作りだす頑固一徹の虚栄心が、歪曲されたヒロイズムとなって、男性的と錯覚される。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
ただし大阪は今日でも婚礼こんれい家柄いえがらや資産や格式などを云々うんぬんすること東京以上であり元来町人の見識の高い土地であるから封建ほうけんの世の風習は思いやられる従って旧家の令嬢れいじょうとしての衿恃きょうじ
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)