“きんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
近侍43.1%
金字13.7%
矜持7.8%
近時7.8%
勤仕3.9%
衿持3.9%
金地3.9%
金次3.9%
錦児2.0%
勤侍2.0%
近世2.0%
近事2.0%
近仕2.0%
金璽2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お蕗はもとより老公と面識があるし、老公の近侍きんじで、また心のうちの人でもある渡辺悦之進わたなべえつのしんもまだそこにいるものと思っている。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きざはしの下に立って、仰ぐと、典雅温優てんがおんゆうなる弁財天べんざいてん金字きんじふちして、牡丹花ぼたんかがくがかかる。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
矜持きんじすることのすこぶる高くむしろ傲慢ごうまんにさえ思われるほどの狩野融川はその席上で阿部あべ豊後守ぶんごのかみと争論をした。
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このやま近時きんじ淺間山あさまやま交代こうたい活動かつどうするかたむきをつてゐるが、降灰こうはひのために時々とき/″\災害さいがい桑園そうえんおよぼし、養蠶上ようさんじよう損害そんがいかうむらしめるので、土地とちひと迷惑めいわくがられてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
と、近くに勤仕きんじしているさむらい達に聞くと、ゆうべから寝所と居間に宛てられている橋廊下のあなたの一棟に、もうご書見しておられる容子です——という。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、頭取!」と妻は一文なしになりながらもなお未だ伯爵夫人のおごりと衿持きんじとを失わず、蒼白なる顔は冷たいながらいよいよ美玉の輝きを増して、慇懃いんぎんを極めた私の結婚の申込みを受諾した。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
そして、金地きんじに日の丸の軍扇ぐんせんをひらいて、頭のうえに振りかざしながら
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっと金次きんじの野郎がわりいんでございやさアねえ、湯屋ゆうやでもってからに金次の野郎が挨拶しずにぐんとしゃがむと、おめえさん甚太っぽーの頭へ尻をせたんでごぜいやす、そうすると甚太っぽーが怒って
「いいえ、この頃はもう、買物にも錦児きんじばかりやって、私は外へも出たことはありません」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おうい、錦児きんじ。拙者はここだここだ。なにか急用でも起ったのか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
離れて、隠岐の配所における一切まで、これなる清高が代って、朝夕、勤侍きんじつかまつることと相なりますゆえ、道誉同様に、何なと仰せつけ下しおかれますように
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近世きんじに於ける武装競争の先駆者は独逸ドイツである。
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
姦言かんげんかざり、近事きんじり、時勢を窺伺きしし、便べんはしげきに投じ、冨貴ふうきを以て、志とす。これ利禄りろくう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
始終、つつましく、彼に近仕きんじしていた佐々木道誉は、高時が、小御所の座所にもどると、あらたまって、いとまをねがった。——近江へお返し給わりたいといい出したものである。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに九錫きゅうしゃくの栄をうけて、魏公の金璽きんじを持たれたのは、いわゆる人臣の位を極めたというもの。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)