トップ
>
近侍
>
きんじ
ふりがな文庫
“
近侍
(
きんじ
)” の例文
足取りも荒々しく消えていったあとから、宿居に当っていた
近侍
(
きんじ
)
永井大三郎と石川六四郎がお護り申しあげるように追っていった。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
お蕗はもとより老公と面識があるし、老公の
近侍
(
きんじ
)
で、また心のうちの人でもある
渡辺悦之進
(
わたなべえつのしん
)
もまだそこにいるものと思っている。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忠實
(
まめやか
)
に
事
(
つか
)
へたる
何某
(
なにがし
)
とかやいへりし
近侍
(
きんじ
)
の
武士
(
ぶし
)
、
君
(
きみ
)
を
思
(
おも
)
ふことの
切
(
せつ
)
なるより、
御身
(
おんみ
)
の
健康
(
けんかう
)
を
憂慮
(
きづか
)
ひて、
一時
(
あるとき
)
御前
(
ごぜん
)
に
罷出
(
まかりい
)
で
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
次の日から廷臣またはローゼンクランツとして
近侍
(
きんじ
)
の生活がはじまりました。午前八時に
土製水瓶
(
アルカザス
)
と
足付杯
(
キアリース
)
を持ってハムレットの寝室へ行きます。
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
竹腰が怪しい蟇に注意の眼を向けた時、次の室に詰めていた義竜の
近侍
(
きんじ
)
が十人ばかり、ばらばらと飛び込んで来た。道家と竹腰は近侍の中にとり込められそうになった。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
ある日
近侍
(
きんじ
)
の小姓が
餌
(
ゑさ
)
を呉れようとする時、隙を
覗
(
ねら
)
つて鸚哥は籠の外へ飛び出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
近侍
(
きんじ
)
のもの。侍「ハアー。殿「
今宵
(
こよひ
)
は十五
夜
(
や
)
で
有
(
あ
)
るの。侍「
御意
(
ぎよい
)
に
御座
(
ござ
)
ります。殿 ...
昔の大名の心意気
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
孟丙の弟仲壬は昭公の
近侍
(
きんじ
)
某と親しくしていたが、一日友を公宮に訪ねた時、たまたま公の目に
留
(
とま
)
った。
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
、その下問に答えている中に、気に入られたと見え、帰りには親しく
玉環
(
ぎょっかん
)
を賜わった。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そして、暫くして王が御殿に出ると
近侍
(
きんじ
)
の者がいった。
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
見られまいとして懸命に面を伏せていた二人は、まさしく侍女のお登代と、そうして誰よりも信任の厚かった
近侍
(
きんじ
)
の道弥だったのである。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
江戸
詰
(
づめ
)
となってから、癖の悪い馬より
手綱
(
たづな
)
の取りにくい万太郎付きの
近侍
(
きんじ
)
となっている、
相良金吾
(
さがらきんご
)
とよぶ武士でした。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
応じて時を移さずに新らしい
短檠
(
たんけい
)
を捧げ持ち乍ら、いんぎんにそこへ姿を見せたのは、お気に入りの
近侍
(
きんじ
)
道弥ならで、茶坊主の
大無
(
たいむ
)
である。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
楓の間は密室なので、小姓頭以外のものは
近侍
(
きんじ
)
しない。上から順にくり拡げて目を通してゆくと、やがて、将軍家の眼に、異様なかがやきが流れた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
多くの
近侍
(
きんじ
)
や
旗本
(
はたもと
)
をあいてに、ほがらかな
座談
(
ざだん
)
。それが
倦
(
う
)
むと、つづみの名人
大倉六蔵
(
おおくらろくぞう
)
に、
鼓
(
つづみ
)
をうたせて聞きとれる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いずれも御気に入りの
近侍
(
きんじ
)
の林四門七と、永井大三郎と、石川六四郎と、そうして
多々羅
(
たたら
)
半兵衛の四人だった。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
矢倉
(
やぐら
)
へむかった消火隊と、武器をとって
討手
(
うって
)
にむかった者が、あらかたである。——で、
家康
(
いえやす
)
のまわりには、わずか七、八人の
近侍
(
きんじ
)
がいるにすぎなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
近侍
(
きんじ
)
のものは、そのすきに、
家康
(
いえやす
)
を
屏風
(
びょうぶ
)
がこいにして、本丸の奥へと引きかえしていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、機嫌のよい阿波守は、
謁
(
えつ
)
をゆるして、当座の手当を与えるように
近侍
(
きんじ
)
へいいつけた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後に——帰山されてから、宮は、
近侍
(
きんじ
)
の坊官たちへ、こう語ったと伝えられている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
近侍
(
きんじ
)
が彼のみへ、一つの床几を置くと、家康はなお、腰をおろさず
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
祐筆
(
ゆうひつ
)
がうけとって
近侍
(
きんじ
)
にわたす。近侍から左京之介の手へ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「や、や。あれや
高俅
(
こうきゅう
)
の養子、
高御曹司
(
こうおんぞうし
)
の
近侍
(
きんじ
)
たちだな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その慶喜公の
近侍
(
きんじ
)
となった渋沢栄一はどうしたか?
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長廊下をツツツと小走りに来た
近侍
(
きんじ
)
の者。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、龍山公は、幾たびも、
近侍
(
きんじ
)
に
訊
(
たず
)
ねた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところへ、
近侍
(
きんじ
)
が
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“近侍(
近習
)”の解説
近習(きんじゅ、きんじゅう、きんしゅう)は主君の近くに仕えること。あるいは仕える人のことを指す。「きんしふ」の変化した語。類語、縁語としては近侍、近臣、近習衆、近習番など。
(出典:Wikipedia)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
侍
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近頃
近寄
近々
近習
近衛
近傍
近郷