衿持きんじ)” の例文
この頑迷固陋ころうな小仏蘭西人達は、のすべての大仏蘭西人達と同じように、容易に日常の主義を変えないことに、はげしい衿持きんじを持っているものと見え、コン吉とタヌが口をすっぱくし、甘くし
「では、頭取!」と妻は一文なしになりながらもなお未だ伯爵夫人のおごりと衿持きんじとを失わず、蒼白なる顔は冷たいながらいよいよ美玉の輝きを増して、慇懃いんぎんを極めた私の結婚の申込みを受諾した。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)