“金字”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きんじ77.8%
こんじ22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
細いどぶにかかった石橋を前にして、「内陣ないじん新吉原講しんよしわらこう」と金字きんじで書いた鉄門をはいると、真直まっすぐな敷石道の左右に並ぶ休茶屋やすみぢゃや暖簾のれんと、奉納の手拭が目覚めるばかり連続つながって
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
きざはしの下に立って、仰ぐと、典雅温優てんがおんゆうなる弁財天べんざいてん金字きんじふちして、牡丹花ぼたんかがくがかかる。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
目ばかり光って、碧額へきがく金字こんじを仰いだと思うと、拍手かしわでのかわりに——片手は利かない——せた胸を三度打った。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なおかつ覚えただけの経文を、さっ金字こんじ紺泥こんでいに瞳に描いて試みたが、それかと思うのは更に分らぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)