矜持きんじ)” の例文
謝肉祭の仮装になぞらえた幾多の小曲から成ったものであるが、その中にはシューマンの主張と矜持きんじと、洒落しゃれと道楽気と、淡い恋と友情とがかくされており
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
矜持きんじすることのすこぶる高くむしろ傲慢ごうまんにさえ思われるほどの狩野融川はその席上で阿部あべ豊後守ぶんごのかみと争論をした。
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしまた一方には何事にも促らわれず、自由に自分の好む勉強ができるので、内に自ら楽むものがあった。超然として自ら矜持きんじする所のものをっていた。
サッサッサッと片付けて、躾よく、三十女、(矜持きんじ
矜持きんじそのもののような融川が弟子に鼻柱を挫かれて嚇怒かくどしない筈がない。
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)