脇侍きょうじ)” の例文
結跏趺坐した阿弥陀如来の豊かに流麗な像や、脇侍きょうじたる観音勢至せいし両菩薩の、本尊に調和せんとする優婉ゆうえんな腕と胴体の動きなどは、薬師三尊に酷似している。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
かつて素人芝居しろうとしばいがあった時、この楼の主人が文覚勧進帳もんがくかんじんちょうの不動明王にふんして、二人がその脇侍きょうじの二童子をつとめたところから、その名が起ったものであります。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
指先がふれるだけで、実に柔く、ふくらみを帯びて合掌している。この静かな暖かい合掌は何に由るのであろうか。また何故かように温和な菩薩を本尊の脇侍きょうじとしたのであろう。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
本尊の薬師如来にょらい脇侍きょうじの日光月光がっこう菩薩ぼさつを、きょうはゆっくり拝したいと思ってやって来たのである。いままでも薬師寺を訪れたことは屡々しばしばあるが、堂内の拝観をうことはまれであった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)