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矜恃
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きょうじ
ふりがな文庫
“
矜恃
(
きょうじ
)” の例文
したがって武士の
矜恃
(
きょうじ
)
というものも喪われ、人にすぐれて敏感だった芭蕉に、その虚勢をはった武士の生活が堪えがたかったことを語っている。
女性の歴史:文学にそって
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
決してその好意に
縋
(
すが
)
ろうとはせず、
謂
(
い
)
われなく人の
合力
(
ごうりき
)
を求めるのは
嫌
(
いや
)
であると云う、
矜恃
(
きょうじ
)
を持っているかに見えた。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
矜恃
(
きょうじ
)
をもっていたから、そしてその誇りを
一途
(
いちず
)
の心棒に生きていたから、貧窮の中でも魂は高雅であったが、又そのために彼の作品は文人的なオモチャとなり
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
河童としてこれまでもっていた
矜恃
(
きょうじ
)
などはあとかたもなく消えてしまい、わたしは自分の不運をかこつこころさえ生じて、切なくかなしくなりました。わたしの愚かさをわらってください。
人魚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
算哲の真意を知ることが出来て——それには、法水の狂的な幻影としか思われない、屍様図の半葉が暗示されてくるのであるが——もしそうだとすれば、夫人の
矜恃
(
きょうじ
)
の中に動いている絶対の世界が
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
孤独と自我と自立には常に純粋といふオマジナヒのやうな
矜恃
(
きょうじ
)
がつきまとふこと、陋巷に孤高を持す芸術家と異るところはなかつたが、三成は己れを屈して衆に媚びる必要もあつたので
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
面白いお
噺
(
はなし
)
のこの上なく上手な話し手としての名誉と、
矜恃
(
きょうじ
)
とを失った彼女は、
渾沌
(
こんとん
)
とした頭に、何かの不調和を漠然と感じる十二の子供として、夢と現実の複雑な錯綜のうちに遺されたのである。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
“矜恃”の意味
《名詞》
矜 恃(きょうじ、きんじ(百姓読みであるが頻用される); 別表記:矜持)
人としての誇り、プライド。
(出典:Wiktionary)
矜
漢検1級
部首:⽭
9画
恃
漢検1級
部首:⼼
9画
“矜”で始まる語句
矜
矜持
矜恤
矜誇
矜羯羅
矜高
矜迦羅
矜羯羅童子
矜哀
矜式