汚塵ほこり)” の例文
こぶしを挙げて丁と打ち猿臂えんぴを伸ばして突き飛ばせば、十兵衛たまらず汚塵ほこりまみれ、はいはい、狐につままれました御免なされ、と云いながら悪口雑言聞き捨てに痛さを忍びて逃げ走り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つきめ忌〻しい、と駄力ばかりは近江のお兼、顔は子供の福笑戯ふくわらひに眼を付け歪めた多福面おかめの如き房州出らしき下婢おさんの憤怒、拳を挙げて丁と打ち猿臂ゑんぴを伸ばして突き飛ばせば、十兵衞堪らず汚塵ほこりまみ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)