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誇
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ほこり
ふりがな文庫
“
誇
(
ほこり
)” の例文
丸で
女
(
をんな
)
が
御白粉
(
おしろい
)
を
付
(
つ
)
ける時の
手付
(
てつき
)
と一般であつた。実際彼は必要があれば、
御白粉
(
おしろい
)
さへ
付
(
つ
)
けかねぬ程に、肉体に
誇
(
ほこり
)
を置く人である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、セエラの凛とした顔を見、
誇
(
ほこり
)
のある声を聞くと、自分の力が空しく消えて行ったような気がして、口惜しくなるのでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
弓を執らざる弓の名人は彼等の
誇
(
ほこり
)
となった。紀昌が弓に
触
(
ふ
)
れなければ触れないほど、彼の無敵の評判はいよいよ
喧伝
(
けんでん
)
された。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
汝の
眞
(
まこと
)
の
言
(
ことば
)
善き謙遜をわが心にそゝぎ、汝わが大いなる
誇
(
ほこり
)
をしづむ、されど汝が今語れるは誰の事ぞや。 一一八—一二〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そうだ! あんな
卑
(
いや
)
しい人間に
怯
(
おそ
)
れてなるものか。
彼
(
あ
)
の男こそ、自分の清浄な
処女
(
おとめ
)
の
誇
(
ほこり
)
の前に、
愧
(
は
)
じ怯れていゝのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
土方も、近藤も可成り前、故郷を離れた切りだったから、新撰組の近藤、土方、若年寄という大役の近藤として、郷土の人々に逢うのは、
誇
(
ほこり
)
であった。
近藤勇と科学
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
武士の子という
誇
(
ほこり
)
はあったにしても、幾日も幾月もの間、小さい余吾之介は、その
物凄
(
すさま
)
じい幻に悩まされて、内証で
顫
(
ふる
)
えていたことを思い出したのです。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
うしろ
形
(
つき
)
も、罎と鎌で調子を取って、大手を振った、おのずから意気の揚々とした処は、山の幸を得た
誇
(
ほこり
)
を示す。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここにおいて
江戸児
(
えどっこ
)
は水道の水と合せて富士の眺望を東都の
誇
(
ほこり
)
となした。西に富士ヶ根東に
筑波
(
つくば
)
の一語は誠によく武蔵野の風景をいい尽したものである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ヨブのこれらの
言
(
ことば
)
に彼らはその
誇
(
ほこり
)
を
傷
(
きずつ
)
けられ、そしてエリパズはその返報としてヨブを責めるのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
アア、一転瞬にして、珠子の
穢
(
けがれ
)
を知らぬ、花びらの様な唇は、その気高い
誇
(
ほこり
)
を失おうとしているのだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
来年学校を卒業すると、一郎は洋行するはずになっていたが、澤は主人の主宰している会社に雇われる事にきまっていた。彼は小学時代から優等生の
誇
(
ほこり
)
を持っていた。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
又市民は前の浮世絵の
博物館
(
ミユウゼ
)
と市外のロオヤル公園の中に前年の博覧会の記念として保存されて居る日本の五
重塔
(
ぢゆうたふ
)
とを有する事をブリユツセルの
誇
(
ほこり
)
として居る様である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
就中
(
なかんずく
)
東京の少年少女は最も甚だしい。東京人がその敏感と早老を以て
誇
(
ほこり
)
としているように、少年少女もその早熟と敏感とをプライドとしているかのように見える位である。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
一人はA国科学界の第一人者フーラー博士、必敗の運命におびえながらも、まだ白人としての
誇
(
ほこり
)
を捨てず、愛機『荒鷲』をもって、武田博士を
返討
(
かえりうち
)
しようとしているのだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
この愛情の
鞭
(
むち
)
が、大きく
唸
(
うな
)
りを生じて俵的の頭の上に鳴りひびくのも遠いことではあるまい。私は親馬鹿の境地に
安住
(
あんじゅう
)
し、親馬鹿であることに多少の
誇
(
ほこり
)
さえもかんじている。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
いまに叔母が死ねば遺産も貰える。私には私の
誇
(
ほこり
)
があるのだ。私はあの人を愛していない。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
人力車夫が
此
(
こ
)
の大街道を勢づいて走つてゐるときには心中に一種の
誇
(
ほこり
)
があつただらう。
恰
(
あたか
)
もヴアチカノの宮殿を歩いてゐるときに何か胸が開くやうに感ずるが如きものである。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
『けれども、フィンスポングの
製鉄場
(
せいてつじょう
)
のぐあいが悪くなったときには、それにかわって、エステルイエートランドの
誇
(
ほこり
)
になるようなものは、もう何もなくなると思いますが。』
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
然
(
しか
)
し、それもこれもつまりは
勝負事
(
しようぶごと
)
に
勝
(
か
)
ちたいといふ
慾
(
よく
)
と、
誇
(
ほこり
)
と、
或
(
あるひ
)
は
見得
(
みえ
)
とからくるのかと
思
(
おも
)
ふと、
人間
(
にんげん
)
の
卑
(
いや
)
しさ
淺
(
あさ
)
ましさも
少々
(
せう/\
)
どんづまりの
感
(
かん
)
じだが、
支那人
(
しなじん
)
の
麻雀
(
マアジヤン
)
ばかりとは
言
(
い
)
はず
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
誇
(
ほこり
)
を深い胸に蔵め、
敬
(
うやまい
)
を色に
表
(
あらわ
)
して
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
悔
(
くい
)
もなく
誇
(
ほこり
)
もなくて子規忌かな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
たとへば食をあさりてつどへる鳩の、聲もいださず、その習ひなる
誇
(
ほこり
)
もみせで、麥や
莠
(
はぐさ
)
の實を拾ふとき 一二四—一二六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かつての自分の
誇
(
ほこり
)
であった・
白刃
(
はくじん
)
前
(
まえ
)
に
接
(
まじ
)
わるも目まじろがざる
底
(
てい
)
の勇が、何と
惨
(
みじ
)
めにちっぽけなことかと思うのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
三度目四度目五度目十度目の準備まで整っているのかも知れない。そう思うと、瑠璃子は又更に自分の胸の処女の
誇
(
ほこり
)
が、烈火のように激しく燃えるのを感じた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
非道なことをして溜めた鍵屋の金を、たつた一兩でも
奪
(
と
)
つたものがあれば、それはまさに、泥棒競爭のゴールを征服したもので、仲間への
誇
(
ほこり
)
にもなつたことでせう。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父は
名主
(
なぬし
)
がなくなってから、一時区長という役を勤めていたので、あるいはそんな自由も
利
(
き
)
いたかも知れないが、それを
誇
(
ほこり
)
にした彼の虚栄心を、今になって考えて見ると
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
セエラさんのフランス語や舞踏は、学校の
誇
(
ほこり
)
と申さねばなりません。それにセエラさんのお行儀は、プリンセス・セエラと呼ぶにふさわしいほど、非の打ちどころがありません。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
ここに残るは、名なればそれを
誇
(
ほこり
)
として、指にも髪にも飾らなかった、紫の玉ただ一つ。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
か
)
れも英人なりと
誇
(
ほこり
)
かに云ひし
黒人
(
くろんぼ
)
のドクトルはコロンボにて降りしに
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼は神の大智を
讃
(
たた
)
えつつヨブの
誇
(
ほこり
)
を責めているのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
見栄
(
みえ
)
も無く
誇
(
ほこり
)
も無くて老の春
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
こゝに残るは、名なれば其を
誇
(
ほこり
)
として、指にも髪にも飾らなかつた、
紫
(
むらさき
)
の玉
唯
(
ただ
)
一つ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
子供達は大人を仲間にすることに、一種の
誇
(
ほこり
)
さへ持つて居るのでした。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
誇
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“誇”を含む語句
誇張
誇大妄想狂
矜誇
誇貌
誇顔
誇示
誇負
勝誇
誇大
浮誇
誇称
誇大妄想
誇見
梁誇
誇気味
誇顏
延平剣合誇神異
誇誕
誇言
誇耀
...