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矜持
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ほこり
ふりがな文庫
“
矜持
(
ほこり
)” の例文
平常
(
しょっちゅう
)
店の若い番頭や手代の顔を
睨
(
にら
)
み付けるような眼付をしていたが、しかしそれは彼女が普通の下女奉公と同じに見られまいとする
矜持
(
ほこり
)
からであった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
傲慢
(
ごうまん
)
で、
矜持
(
ほこり
)
の高い、レエヌさんの、このやつれ切ったようすを見ると、キャラコさんは、すこしばかり心の底に残っていた怒りや軽蔑の感情をすっかり忘れてしまった。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「私はぶつ倒されたの。」と云ふのが、私の
傷
(
きずつ
)
けられた
矜持
(
ほこり
)
の痛みが、私をして吐き出すやうに云はした露骨な説明であつた。「だけど、それで病氣になつたのぢやないの。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
芸人としての
矜持
(
ほこり
)
もあれば、一世一代に、老後の思いでとして一度ははなばなしく思う存分に舞台を持ってみたいとかねがね思っていた、その機会がはからず到来したのだから
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人間としての、尊き
矜持
(
ほこり
)
は「生きる」ということを、考えるところにあるのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
▼ もっと見る
『爾、思ひあがれる芸術家よ。先づその
矜持
(
ほこり
)
を捨てよ。次に、その中に淀める
汚濁
(
けがれ
)
を浄めよ、次に、小さなる皮肉と小さなる観察とを捨てよ。しかして、野にある羊かひの如く賤しかれ』
J. K. Huys Mans の小説
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
又、王女らのもてるにも似し、わがはかなき
矜持
(
ほこり
)
を
蔑
(
さげ
)
しむ。
生けるものと死せるものと
(旧字旧仮名)
/
アンナ・ド・ノアイユ
(著)
正太は一種の
矜持
(
ほこり
)
を感じた。同時に、この隠居にまで拝むような眼で見られる自分の身を
煩
(
うるさ
)
く思った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また君の相変らぬ小さき
矜持
(
ほこり
)
をも思ひ出し候。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
それに、扱いかねている女中の様子と、馴染の無い客に対する妓の冷淡とが、何となく二人の
矜持
(
ほこり
)
を
傷
(
きずつ
)
けた。殊に、榊は不愉快な眼付をして、楽しい酒の香を
嗅
(
か
)
いだ。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
金の話は余計に兄の
矜持
(
ほこり
)
を
傷
(
きずつ
)
けた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“矜持”の意味
《名詞》
矜 持(きょうじ、きんじ(百姓読みであるが頻用される); 別表記:矜恃)
人としての誇り、プライド。
(出典:Wiktionary)
矜
漢検1級
部首:⽭
9画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“矜持”で始まる語句
矜持心