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煽
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あおり
ふりがな文庫
“
煽
(
あおり
)” の例文
ト木彫のあの、
和蘭陀
(
オランダ
)
靴は、スポンと裏を見せて
引顛返
(
ひっくりかえ
)
る。……
煽
(
あおり
)
をくつて、論語は、ばら/\と暖炉に映つて、
赫
(
かっ
)
と朱を
注
(
そそ
)
ぎながら、
頁
(
ペエジ
)
を
開
(
ひら
)
く。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この一気に、尾の
煽
(
あおり
)
をくらえる如く、仕丁、ハタと
躓
(
つまず
)
き
四
(
よ
)
つに
這
(
は
)
い、面を落す。
慌
(
あわ
)
てて
懐
(
ふところ
)
に
捻込
(
ねじこ
)
む時、
間近
(
まぢか
)
にお沢を見て、ハッと身を
退
(
すさ
)
りながら
凝
(
じっ
)
と再び見直す
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中にも旅僧は何をトッチたか、膝で這廻って、雛芥子の散った花片の、
煽
(
あおり
)
で動くのを、美しい魂を散らすまいとか、胸の箱へ、拾い込み拾い込みしたのである。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寝返りを打てば、袖の
煽
(
あおり
)
にふっと払われて、やがて次の間と隔ての、襖の際に籠った
気勢
(
けはい
)
、
原
(
もと
)
の
花片
(
はなびら
)
に香が戻って、匂は一処に集ったか、薫が
一汐
(
ひとしお
)
高くなった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
うの花にはまだ早い、山田
小田
(
おだ
)
の
紫雲英
(
げんげ
)
、
残
(
のこん
)
の菜の花、並木の随処に相触れては、
狩野
(
かの
)
川が
綟子
(
もじ
)
を張って青く流れた。
雲雀
(
ひばり
)
は石山に高く
囀
(
さえず
)
って、
鼓草
(
たんぽぽ
)
の綿がタイヤの
煽
(
あおり
)
に散った。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
婦
(
おんな
)
が、
這搦
(
はいから
)
まるか、
白脛
(
しらはぎ
)
高く裾を払い、立って
縋
(
すが
)
るか、はらはらと両袖を振った
煽
(
あおり
)
に、ばっと舞扇に火が移ると、
真暗
(
まっくら
)
な裏山から、
颯
(
さっ
)
と
木
(
こ
)
の葉おろしするとともに、火を
搦
(
から
)
めたまま
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶏は脇の処で恐しい羽ばたきをしますね、私あその
煽
(
あおり
)
で宙へ上りそうで足も地につきませんや。
背後
(
うしろ
)
の方でも、
前途
(
まえ
)
の方でも、その時分にようようワッという人声が陰に
籠
(
こも
)
って聞えました。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここに、ちょいとした橋があるんだが、その
勢
(
いきおい
)
だからもう
不可
(
いけな
)
い。水の上で持上って、だぶりだぶりと
煽
(
あおり
)
を打つと、蘆がまた根から穂を振って、
光来々々
(
おいでおいで
)
を
極
(
き
)
めてるなんざ、
情
(
なさけ
)
なかろうではないか。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
煽
漢検準1級
部首:⽕
14画
“煽”を含む語句
煽動
一煽
煽情的
煽立
煽飲
煽動家
煽情
吹煽
煽切
煽起
煽風器
煽動者
煽動的
煽風機
煽付
煽賞
大煽
皷煽
鼓舞煽動