白粉しろこ)” の例文
雪よりも白いえりの美くしさ。ぽうッとしかも白粉しろこを吹いたような耳朶みみたぶの愛らしさ。匂うがごとき揉上もみあげは充血あかくなッた頬に乱れかかッている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
何か手早にかまどに火を入れる、おれの近くへ石臼いしうすを持出し話しながら、白粉しろこき始める、手軽気軽で、億劫な風など毛程も見せない、おれも訳なしに話に釣り込まれた。
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)