櫛卷くしまき)” の例文
新字:櫛巻
あとじさりに、——いま櫛卷くしまきと、島田しまだ母娘おやこ呼留よびとめながら、おきな行者ぎやうじや擦違すれちがひに、しやんとして、ぎやくもどつてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自棄やけ櫛卷くしまきにした多い毛にも、わざと白粉おしろいを嫌つた眞珠色の素顏にも、野暮を賣物にした木綿の單衣ひとへにも、つゝみ切れない魅力みりよくが、夕映ゆふばえと一緒に街中に擴がるやうな女でした。
薄い頭髪、然うとは見えぬやうにきように櫛卷くしまきにして、兩方りやうほう顳顬こめかみ即効紙そくかうしを張ツてゐた。白粉燒おしろいやけ何方どつちかといふと色は淺黒あさぐろい方だが、鼻でも口でも尋常じんじやうにきりツと締ツてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とくと見らるゝに年のころ三十歳ばかり顏色がんしよく痩衰やせおとろにくおちほねあらはれ何樣いかさま數日拷問がうもんに苦しみし體なり扨又女房お節を見らるゝにかれとても顏色がんしよくさら人間にんげんうるほひなくいろ蒼然あをざめて兩眼を泣脹なきはら櫛卷くしまきに髮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つゞいてあらはれるが例物れいぶつさ、かみ自慢じまん櫛卷くしまきで、薄化粧うすげしようのあつさりもの半襟はんゑりつきのまへだれがけとくだけて、おや貴郎あなたふだらうではいか、すると此處こゝのがでれりと御座ござつて、ひさしう無沙汰ぶさたをした
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、やさしく櫛卷くしまきれて、うれしらしくつたが、あどなく、して、かよわい姿すがたが、あはれにえた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「良い女でごぜえましたよ。多い毛を櫛卷くしまきにして、色の白い、背のスラリと高い、左の頬に小さい黒子ほくろのある——私の首へ噛り付いた時は、フンハリと良い匂ひがしましたたよ」
十九にはなるまい新姐しんぞさきに、一足ひとあしさがつて、櫛卷くしまきにした阿母おふくろがついて、みせはひりかけた。が、ちやう行者ぎやうじや背後うしろを、なゝめとりまはすやうにして、二人ふたりとも立停たちどまつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「聽けば、その爺さんの財布を拔いたのは、二十二三のびつくりする程良い女で、髮を櫛卷くしまきにして、頬に小さい黒子ほくろがあつたと言はれると、御府内では一枚繪のお時の外にはねえ」
しうと微笑ほゝゑみて、とききて跪坐ついゐたるをんなかへりみてふ、おまへをしへておげと。よめ櫛卷くしまきにして端坐たんざして、すなは攻守こうしゆ奪救だつきう防殺ばうさつはふしめす。積薪せきしんならて、あめしたくわんたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無造作な櫛卷くしまき、男物のやうな地味な單衣を着て居るのでした。
うつくしさは、よるくもくらこずゑおほはれながら、もみぢのえだうらくばかり、友染いうぜんくれなゐちら/\と、櫛卷くしまき黒髮くろかみ濡色ぬれいろつゆしたゝる、天井てんじやうたかやまに、電燈でんとうかげしろうして、ゆらめくごと暖爐だんろほのほ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やかたおくなる夫人ふじんの、つねさへ白鼈甲しろべつかふ眞珠しんじゆちりばめたる毛留ブローチして、つるはだに、孔雀くじやくよそほひにのみれたるが、このたまはるを、けて、とおもふに、いかに、端近はしぢかちや居迎ゐむかふる姿すがたれば、櫛卷くしまき薄化粧うすげしやう
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かみは、ふさ/\とあるのを櫛卷くしまきなんどにたばねたらしい……でないと、ひぢかけまどの、うしたところは、たかまげなら鴨居かもゐにもつかへよう、それが、やがて二三ずんのないくらがりに、水際立みづぎはたつまで、おなくろさが
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
櫛卷くしまき阿母おふくろつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)