傾國けいこく)” の例文
新字:傾国
其の振りぐる顏を見れば、鬚眉すうびの魂をとろかして此世の外ならで六尺の體を天地の間に置き所なきまでに狂はせし傾國けいこくの色、凄き迄にうるはしく、何を悲しみてか眼にたゝゆる涙のたま海棠かいだうの雨も及ばず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)