きはま)” の例文
彼の進退はここにきはまるとともに貫一もこの場は一寸いつすんも去らじと構へたれば、遊佐はわなに係れる獲物の如く一分時毎に窮する外は無くて、今は唯身に受くべき謂無いはれなき責苦を受けて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
道無きにくるしめる折、左右には水深く、崖高く、前にはづべからざる石のふさがりたるを、ぢてなかばに到りて進退きはまりつる、その石もこれなりけん、と肩はおのづそびえて、久くとどまるにへず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)