“こちとら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
此方23.5%
吾輩11.8%
此方人等11.8%
此方等5.9%
乃公5.9%
吾等5.9%
当方5.9%
我輩5.9%
此人方等5.9%
此方人5.9%
此方俺5.9%
此輩5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じゃ、まあそう可怖おっかなそうにきょろきょろ立っていなくとも好う御座んさあね、お婆さん、誰が知ってるもんですか。それに此方こちとらだってお互に何も弱点あらの拾いっこを
吾輩こちとらとは違って今時の若いものは感心だね。」宗匠は言葉を切って
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
坊主ばうずねえか、無住むぢうだな。ひど荒果あれはてたもんぢやねえか。蜘蛛くもやつめも、殿樣とのさまはうには遠慮ゑんりよしたとえて、御家來ごけらいかほしんにふけやがつた。なあ、これ、御家來ごけらいへば此方人等こちとらだ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仁「面目次第もありませんが、此方等こちとらは狼藉者でも出ると、真先まっさきに逃出し、悪くすると石へ蹴つまずいて膝アこわすたちでありますよ、恐入りますな」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから見ると此方等こちとらは寝たがってばかりいてて仕様がないの
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ふウむ、其りや、野郎可哀さうな様だがかへつ幸福しあはせだ、乃公こちとらの様にピチ/\してちや、養育院でも引き取つては呉れめヱ——、ま、愈々いよ/\となつたら監獄へでも参向する工夫をするのだ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
吾等こちとらいやしい生涯くちすぎでは、農事しごと多忙いそがしくなると朝も暗いうちに起きて、燈火あかりけて朝食あさめしを済ます。東の空が白々となれば田野のらへ出て、一日働くと女の身体は綿のようです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「久兵衛さん、お前は心掛けがよくねえから、このくれえのいた事はけえって気つけかもしれねえが、当方こちとらあその贋元にせげんにちょっと心当りがあろうというもの——。」
我輩こちとらとは違つて今時いまどきの若いものは感心だね。」宗匠そうしやうは言葉を切つて
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
此人方等こちとらは、やつか、へるんでなくつては、黄色きいろいのも、あをいのも、ちつこいものを、なんにすべいよ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
六方者むほうものは、嘘や飾りの儀式が大嫌い。それに此方人こちとらは、門徒だから、物知らずでいいのです」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方俺こちとらも随分ご厄介になった方だ。……いやそれなら結構だ。そういうお方に可愛がられたとあっては、かえってお山に箔がつく、いやそれなら結構だ。……杉さん、藤作、じゃア行こう。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「けちけちするない——早く出さねえか——正直にぜにを払ってる此輩こちとらアいい迷惑だ。」と叫ぶものもある。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)