“荒果”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あれは66.7%
あれはて33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この記憶に富んだ庭も、今は全くきりうまって、荒果あれはてた自分の下宿のそれと、何の境もなくのべつに続いている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
荒果あれはてたが、書院づくりの、とこわきに、あり/\と彩色さいしきの残つた絵の袋戸ふくろどの入つた棚の上に、やあ! 壁を突通つきとおして紺青こんじょうなみあつて月の輝く如き、表紙のそろつた
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くませんとなし其せつに此眞向まむかひの棟割長家むねわりながや建續たてつゞけたる其中にも一そうきたな荒果あれはていと小狹せうけふなる家の中に五十四五なる老人一個ひとり障子一枚押開おしひら端近はしちかふ出物の本を繰廣くりひろげ見てゐたりしが今長三郎が手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よきしゆくなりしならん大きな宿屋荒果あれはてあはれなりこゝに木曾義仲馬洗うまあらひの水といふ有りといへど見ず例の露伴子愛着の美人も尋ねずわづかに痩馬に一息させしのみにて亦驅けいだす此宿より美濃みの國境くにさかひ馬籠まごめまでの間の十三宿が即ち木曾と總稱する所なり誠に木曾にりしだけありてこれより景色けいしよく凡ならず谷深く山聳へ岩に觸るゝ水生茂おひしげる木皆な新たに生面を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)