此方人等こちとら)” の例文
すると船頭共せんどうどもが、「恁麽こんな惡僧あくそうつてるから龍神りうじんたゝるのにちがひない、はやうみなか投込なげこんで、此方人等こちとらたすからう。」とつてたかつて文覺もんがく手籠てごめにしようとする。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
坊主ばうずねえか、無住むぢうだな。ひど荒果あれはてたもんぢやねえか。蜘蛛くもやつめも、殿樣とのさまはうには遠慮ゑんりよしたとえて、御家來ごけらいかほしんにふけやがつた。なあ、これ、御家來ごけらいへば此方人等こちとらだ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)