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此方
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こち
ふりがな文庫
“
此方
(
こち
)” の例文
ロレ (傍を向きて)それは
遲
(
おそ
)
うせねばならぬ
仔細
(
わけ
)
が、
此方
(
こち
)
に
解
(
わか
)
ってをらなんだらなア!……あれ、
御覽
(
ごらう
)
ぜ、
姫
(
ひめ
)
が
此庵
(
こゝ
)
にわせられた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
番頭久八は大いに驚き主人五兵衞へ
段々
(
だん/\
)
に
詫言
(
わびごと
)
に及び千太郎には厚く
異見
(
いけん
)
を加へ
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と
執成
(
とりな
)
しければ五兵衞も
漸々
(
やう/\
)
怒
(
いか
)
りを治め此後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
風情
(
ふぜい
)
は
一段
(
いちだん
)
で、
汀
(
みぎは
)
には、
所々
(
ところ/″\
)
、
丈
(
たけ
)
の
低
(
ひく
)
い
燕子花
(
かきつばた
)
の、
紫
(
むらさき
)
の
花
(
はな
)
に
交
(
まじ
)
つて、あち
此方
(
こち
)
に
又
(
また
)
一
輪
(
りん
)
づゝ、
言交
(
いひか
)
はしたやうに、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
が
交
(
まじ
)
つて
咲
(
さ
)
く……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もとより
此方
(
こち
)
で取るはずなれば
要
(
い
)
りもせぬ助太刀頼んで、一人の首を二人で切るような
卑劣
(
けち
)
なことをするにも当らないではありませぬか
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「それが皆んな、あの娘の潔白のせゐとも言へるぢやありませんか。
脅
(
おび
)
えきつた小娘は、何をやらかすか、
此方
(
こち
)
とらには見當もつきませんよ」
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
母樣
(
はゝおや
)
は子に甘きならひ、聞く
毎々
(
こと/″\
)
に身にしみて口惜しく、
父樣
(
とゝさん
)
は何と思し召すか知らぬが
元來
(
もと/\
)
此方
(
こち
)
から貰ふて下されと願ふて遣つた子ではなし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此方
(
こち
)
向けば子鴉あはれ、
其方
(
そち
)
向けば犬の子あはれ。
二方
(
ふたかた
)
の鳥よ
獣
(
けもの
)
よ。ひとしけくかはゆきものを、同じけくかなしきものを、いづれ
別
(
わ
)
きいづれ隔てむ。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茂「そうサ、自分が調べられるのじゃアないからの
事
(
こっ
)
た、
此方
(
こち
)
とらはまかり間違えば
捕縛
(
ふんじば
)
られるのだから
怖
(
おっ
)
かねえ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ええ、長いこと、庭の
彼方
(
あち
)
、
此方
(
こち
)
を、おひとりで歩いていらっしゃいましたが、そのうちに、お山の大日堂の縁に、お休みになっているふうでした」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いくら釣っても、
目
(
め
)
ざす
鮒
(
ふな
)
はかゝらず、ゴタルと云う
魦
(
はぜ
)
の様な
小魚
(
こざかな
)
ばかり釣れる。舟を
水草
(
みずくさ
)
の岸に
着
(
つ
)
けさして、イタヤの
薄紅葉
(
うすもみじ
)
の中を
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と歩いて見る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
好
(
よ
)
い所でお目に懸りましたこと。急にお話を致したい事が出来ましたので、まあ、
些
(
ちよつ
)
と
此方
(
こち
)
へ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
降らぬやうに祈るぞと云しが
山下
(
やまおろ
)
しの風の音雨と聞なされて
覺
(
さむ
)
ること
度々
(
たび/\
)
なり果して夜半に雨來る
彼方
(
あち
)
に寐がへり
此方
(
こち
)
に寐がへり
明日
(
あす
)
此
(
こゝ
)
に滯留とならば我先づ河原へ出て漁者を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
なぜ夫である眠元朗があちゆき
此方
(
こち
)
ゆきしているかを見なければならなかったか。
みずうみ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「お光坊何を案じて居るの。何を考えて居るの。
真正
(
ほん
)
のお父さんお母さんに逢いたいの。何が悲しいの。お泣きでないよ、わたしたちが見て居るよ」といい顔にじっと
此方
(
こち
)
を眺めて居る。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
『疊たゝいて
此方
(
こち
)
の
人
(
ひと
)
——これ、此方の人、此方の人ッたら、ホホヽヽヽヽ。』
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
現に僕が関係してゐる会社では三四の同業者があるから合同して大きな工場を建てたら
如何
(
どう
)
だといふ意見を持出した処が、
此方
(
こち
)
の会社が十分優勢を占めてるのに以ての外だと排斥されて了つた。
青年実業家
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
日下部の
此方
(
こち
)
の山
六
と
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ロミオ なう、
叱
(
しか
)
って
下
(
くだ
)
さるな。
此度
(
こんど
)
の
女
(
をんな
)
は、
此方
(
こち
)
で
思
(
おも
)
へば、
彼方
(
あち
)
でも
思
(
おも
)
ひ、
此方
(
こち
)
で
慕
(
した
)
へば、
彼方
(
あち
)
でも
慕
(
した
)
ふ。
以前
(
さき
)
のはさうで
無
(
な
)
かった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何様しても彼様しても
温順
(
すなほ
)
に
此方
(
こち
)
の身を退くより他に思案も何もない歟、嗚呼無い歟、といふて今更残念な、なまじ此様な事おもひたゝずに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
母親
(
はゝおや
)
は
子
(
こ
)
に
甘
(
あま
)
きならひ、
聞
(
き
)
く
毎々
(
こと/″\
)
に
身
(
み
)
にしみて
口惜
(
くちを
)
しく、
父樣
(
とゝさん
)
は
何
(
なん
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
すか
知
(
し
)
らぬが
元來
(
もと/\
)
此方
(
こち
)
から
貰
(
もら
)
ふて
下
(
くだ
)
されと
願
(
ねが
)
ふて
遣
(
や
)
つた
子
(
こ
)
ではなし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此方
(
こち
)
向けば子鴉あはれ、
其方
(
そち
)
向けば犬の子あはれ。
二方
(
ふたかた
)
の鳥よ
獣
(
けもの
)
よ。ひとしけくかはゆきものを、同じけくかなしきものを、いづれ
別
(
わ
)
きいづれ隔てむ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ここへ来るなり睡たさに、小犬のように垣の根に眠ってしまった乙若を揺り起して、三人の母はまた、まだ
遠方
(
おち
)
、
此方
(
こち
)
に残る雪明りを頼りに、何処ともなく立去った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其安穏寺の
坊
(
ぼう
)
さんであろう、
紫紺
(
しこん
)
の法衣で
母屋
(
おもや
)
の棺の前に座って居るのが、
此方
(
こち
)
から見える。棺は緑色の
簾
(
すだれ
)
をかけた立派な
輿
(
こし
)
に納めて、母屋の座敷の正面に
据
(
す
)
えてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
悪い商人は、こんな
駆引
(
かけひき
)
で、表店の大
店
(
だな
)
を乗っ取る手もあるんですね、そこへ行くと
此方
(
こち
)
とらは
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
旦那を殺すの恥を掻かせるのとは
何
(
なん
)
のことでござんす、
此方
(
こち
)
とらア自分の命を棄てゝも旦那を助ける覚悟だ、又一旦思い込んだ
事
(
こた
)
ア
一寸
(
いっすん
)
も
後
(
あと
)
へ
退
(
ひ
)
かねえ此の亥太郎でござんすぜ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『畳たゝいて
此方
(
こち
)
の
人
(
ひとオ
)
——これ、
此方
(
こち
)
の人、
此方
(
こち
)
の人ツたら、ホホヽヽヽヽ。』
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此方
(
こち
)
の
昔馴染
(
むかしなじみ
)
のヸーナス
殿
(
どの
)
を
美
(
ほ
)
めさっしゃい、
乃至
(
ないし
)
は
盲目
(
めんない
)
の
息子殿
(
むすこどの
)
、
例
(
れい
)
のコーフェーチュアの
王
(
わう
)
さんが
乞食娘
(
こじきむすめ
)
に
惚
(
ほ
)
れた
時分
(
じぶん
)
に
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
名さへ響かぬのつそりに
大切
(
だいじ
)
の仕事を任せらるゝ事は檀家方の手前寄進者方の手前も難しからうなれば、大丈夫
此方
(
こち
)
に
命
(
いひつ
)
けらるゝに極つたこと
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
みんな
私
(
わたし
)
の
恩人
(
おんじん
)
といふて
宜
(
よ
)
い、
今
(
いま
)
このやうに
好
(
い
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
ばかり
集
(
あつ
)
まつて、
此方
(
こち
)
の
奧樣
(
おくさま
)
ぐらゐ
人
(
ひと
)
づかひの
宜
(
い
)
い
方
(
かた
)
は
無
(
な
)
いと
嘘
(
うそ
)
にも
喜
(
よろこ
)
んだ
口
(
くち
)
をきかれるは
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼方
(
あち
)
も
此方
(
こち
)
も養蚕前の
大掃除
(
おおそうじ
)
、
蚕具
(
さんぐ
)
を乾したり、ばた/\
莚
(
むしろ
)
をはたいたり。月末には早い
処
(
とこ
)
では
掃
(
は
)
き立てる。蚕室を
有
(
も
)
つ家は少いが、
何様
(
どん
)
な家でも少くも一二枚
飼
(
か
)
わぬ家はない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
やつこらさと飛んで
下
(
お
)
りれば
吾妹子
(
わがもこ
)
がいぢらしやじつと
此方
(
こち
)
向いて居り
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
吉「なアに
此方
(
こち
)
とらア信心したって神様が……」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
此方
(
こち
)
の心が
醇粋
(
いっぽんぎ
)
なれば
先方
(
さき
)
の気に
触
(
さわ
)
る言葉とも
斟酌
(
しんしゃく
)
せず推し返し言えば、為右衛門腹には我を頼まぬが憎くて
慍
(
いか
)
りを含み、
理
(
わけ
)
のわからぬ男じゃの
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此方
(
こなた
)
は言葉もなく袖を
捉
(
とら
)
へて駆け出せば、息がはづむ、胸が痛い、そんなに急ぐならば
此方
(
こち
)
は知らぬ、お前一人でお
出
(
いで
)
と怒られて、別れ別れの到着
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
野分だつ薄の風に
此方
(
こち
)
向きて子鴉が啼くよ口赤く
開
(
あ
)
けて
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
梅「さア
此方
(
こち
)
へお這入んなさい」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此方
(
こなた
)
は
言葉
(
ことば
)
もなく
袖
(
そで
)
を
捉
(
とら
)
へて
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
せば、
息
(
いき
)
がはづむ、
胸
(
むね
)
が
痛
(
いた
)
い、そんなに
急
(
いそ
)
ぐならば
此方
(
こち
)
は
知
(
し
)
らぬ、お
前
(
まへ
)
一人
(
ひとり
)
でお
出
(
いで
)
と
怒
(
おこ
)
られて、
別
(
わか
)
れ
別
(
わか
)
れの
到着
(
とうちやく
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
名さえ響かぬのっそりに
大切
(
だいじ
)
の仕事を任せらるることは檀家方の手前寄進者方の手前もむつかしかろうなれば、大丈夫
此方
(
こち
)
に
命
(
いいつ
)
けらるるにきまったこと
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
結構人
(
けつこうじん
)
の
旦那
(
だんな
)
どの、
何
(
ど
)
うぞしたかとお
問
(
と
)
ひのかゝるに、いえ、
格別
(
かくべつ
)
の
事
(
こと
)
でも
御座
(
ござ
)
りますまいけれど、
仲町
(
なかまち
)
の
姉
(
あね
)
が
何
(
なに
)
やら
心配
(
しんぱい
)
の
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
るほどに、
此方
(
こち
)
から
行
(
ゆ
)
けば
宜
(
よ
)
いのなれど
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
火は別にとらぬから
此方
(
こち
)
へ寄るがよい、と云ひながら重げに鉄瓶を取り下して、
属輩
(
めした
)
にも如才なく愛嬌を汲んで
与
(
や
)
る桜湯一杯、心に花のある
待遇
(
あしらひ
)
は口に言葉の仇繁きより懐かしきに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
夫れでも
此方
(
こち
)
どもの
頭
(
つむり
)
の上らぬは彼の物の御威光、さりとは欲しや、
廓内
(
なか
)
の大きい
樓
(
うち
)
にも大分の貸付があるらしう聞きましたと、大路に立ちて二三人の女房よその
財産
(
たから
)
を數へぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わしが無理借りに
此方
(
こち
)
へ借りて来て、七ツ
下
(
さが
)
りの雨と五十からの芸事、とても上りかぬると
謗
(
そし
)
らるるを
関
(
かま
)
わず、しきりに吹習うている
中
(
うち
)
に、人の居らぬ
他所
(
よそ
)
へ持って出ての帰るさに取落して
終
(
しも
)
うた
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それでも
此方
(
こち
)
どもの
頭
(
つむり
)
の上らぬはあの物の御威光、さりとは欲しや、
廓内
(
なか
)
の大きい
楼
(
うち
)
にも大分の貸付があるらしう聞きましたと、大路に立ちて二三人の女房よその
財産
(
たから
)
を数へぬ。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
堪忍をし、何と思つても
先方
(
さき
)
は大勢、
此方
(
こち
)
は皆よわい者ばかり、大人でさへ手が出しかねたに
叶
(
かな
)
はぬは知れてゐる、それでも怪我のないは
仕合
(
しあはせ
)
、この上は途中の待ぶせが危ない
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
書けと仰しやれば起證でも誓紙でもお好み次第さし上ませう、
女夫
(
めをと
)
やくそくなどと言つても
此方
(
こち
)
で破るよりは先方樣の性根なし、主人もちなら主人が
怕
(
こは
)
く親もちなら親の言ひなり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
書けと
仰
(
おつ
)
しやれば起証でも誓紙でもお好み次第さし上ませう、
女夫
(
めをと
)
やくそくなどと言つても
此方
(
こち
)
で破るよりは
先方様
(
さきさま
)
の性根なし、主人もちなら主人が
怕
(
こわ
)
く親もちなら親の言ひなり
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
書
(
か
)
けと
仰
(
おつ
)
しやれば
起證
(
きせう
)
でも
誓紙
(
せいし
)
でもお
好
(
この
)
み
次第
(
しだい
)
さし
上
(
あげ
)
ませう、
女夫
(
めをと
)
やくそくなどと
言
(
い
)
つても
此方
(
こち
)
で
破
(
やぶ
)
るよりは
先方樣
(
さきさま
)
の
性根
(
せうね
)
なし、
主人
(
しゆじん
)
もちなら
主人
(
しゆじん
)
が
怕
(
こわ
)
く
親
(
おや
)
もちなら
親
(
おや
)
の
言
(
い
)
ひなり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
白粉
(
おしろい
)
をつけぬがめつけ
物
(
もの
)
なれど
丸髷
(
まるまげ
)
の
大
(
おほ
)
きさ、
猫
(
ねこ
)
なで
聲
(
ごゑ
)
して
人
(
ひと
)
の
死
(
し
)
ぬをも
搆
(
かま
)
はず、
大方
(
おほかた
)
臨終
(
おしまい
)
は
金
(
かね
)
と
情死
(
しんじう
)
なさるやら、
夫
(
そ
)
れでも
此方
(
こち
)
どもの
頭
(
つむり
)
の
上
(
あが
)
らぬは
彼
(
あ
)
の
物
(
もの
)
の
御威光
(
ごいくわう
)
、さりとは
欲
(
ほ
)
しや
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されども
我
(
わ
)
れは
横町
(
よこてう
)
に
生
(
うま
)
れて
横町
(
よこてう
)
に
育
(
そだ
)
ちたる
身
(
み
)
、
住
(
す
)
む
地處
(
ぢしよ
)
に
龍華寺
(
りうげじ
)
のもの、
家主
(
いゑぬし
)
が
長吉
(
ちようきち
)
が
親
(
おや
)
なれば、
表
(
おもて
)
むき
彼方
(
かなた
)
に
背
(
そむ
)
く
事
(
こと
)
かなはず、
内々
(
ない/\
)
に
此方
(
こち
)
の
用
(
よう
)
をたして、にらまるゝ
時
(
とき
)
の
役廻
(
やくまわ
)
りつらし。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
聞く
毎々
(
ことごと
)
に身にしみて
口惜
(
くちを
)
しく、
父様
(
ととさん
)
は何と
思
(
おぼ
)
し召すか知らぬが
元来
(
もともと
)
此方
(
こち
)
から貰ふて下されと願ふて遣つた子ではなし、身分が悪いの学校がどうしたのと宜くも宜くも勝手な事が言はれた物
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“此方”で始まる語句
此方様
此方側
此方衆
此方面
此方等
此方向
此方持
此方組
此方樣
此方人等