“薄紅葉”の読み方と例文
読み方割合
うすもみじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ヴァイオリンを温かに右の腋下えきかまもりたる演奏者は、ぐるりと戸側とぎわたいめぐらして、薄紅葉うすもみじを点じたる裾模様すそもようを台上に動かして来る。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いくら釣っても、ざすふなはかゝらず、ゴタルと云うはぜの様な小魚こざかなばかり釣れる。舟を水草みずくさの岸にけさして、イタヤの薄紅葉うすもみじの中を彼方あち此方こちと歩いて見る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
聞いてアラねえさんとお定まりのように打ち消す小春よりも俊雄はぽッと顔あからめ男らしくなき薄紅葉うすもみじとかようの場合に小説家が紅葉の恩沢に浴するそれ幾ばく
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)