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此方
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こなた
ふりがな文庫
“
此方
(
こなた
)” の例文
此方
(
こなた
)
は愈大得意にて、
故
(
ことさら
)
に
徐
(
しずか
)
に歩めば、二人は遂に堪へ兼ねて、言葉をかけ、予の成功を祝せし後、「何処にて釣り候ぞ」と問へり。
釣好隠居の懺悔
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
「ぢや、
姉
(
ねい
)
さんは
何方
(
どちら
)
が
好
(
すき
)
だと
仰
(
おつ
)
しやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、
面
(
かほ
)
顰
(
しか
)
めて
促
(
うな
)
がすを、姉は空の
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
眺
(
なが
)
めやりつゝ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
しかるに
妾
(
しょう
)
と室を同じうせる四十ばかりの男子ありて、
頻
(
しき
)
りに妾の生地を尋ねつつ
此方
(
こなた
)
の顔のみ注視する
体
(
てい
)
なるに、妾は心安からず
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
上杉の
隣家
(
となり
)
は何宗かの
御梵刹
(
おんてら
)
さまにて
寺内
(
じない
)
広々と桃桜いろいろ
植
(
うゑ
)
わたしたれば、
此方
(
こなた
)
の二階より見おろすに雲は
棚曳
(
たなび
)
く天上界に似て
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫人この時は、
後毛
(
おくれげ
)
のはらはらとかかった、江戸紫の襟に映る、雪のような
項
(
うなじ
)
を
此方
(
こなた
)
に、
背向
(
うしろむき
)
に
火桶
(
ひおけ
)
に
凭掛
(
よりかか
)
っていたが、
軽
(
かろ
)
く振向き
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
此方
(
こなた
)
へ振向いたお雪の顔を見
上
(
あげ
)
ると、いつものように
片靨
(
かたえくぼ
)
を寄せているので、わたくしは何とも知れず安心したような心持になって
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
眼
(
まなこ
)
を
放
(
はな
)
たず
睥睨
(
へいげい
)
して
居
(
を
)
る、
猛狒
(
ゴリラ
)
も
益々
(
ます/\
)
猛
(
たけ
)
く
此方
(
こなた
)
を
窺
(
うかゞ
)
つて
居
(
を
)
る、
此
(
この
)
九死一生
(
きうしいつしやう
)
の
分
(
わか
)
れ
目
(
め
)
、
不意
(
ふい
)
に、
實
(
じつ
)
に
不意
(
ふい
)
に、
何處
(
どこ
)
ともなく
一發
(
いつぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人
此方
(
こなた
)
に並んで
坐
(
ざ
)
せり。
結句
(
けっく
)
この方が嬢の顔を見られて都合好しと大原は
強
(
あなが
)
ちに
悔
(
くや
)
まず。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
こうして、
此方
(
こなた
)
、諏訪明神の、境内もいよいよ寂しくなり、嵐を
孕
(
はら
)
んだ杉の梢が物凄く
颷々
(
ひょうひょう
)
と鳴るばかり、他には
生物
(
いきもの
)
の声さえない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
出す、諫鼓苔深くして鳥驚かずの意より
出
(
い
)
づと、云々、
此方
(
こなた
)
の上世は専ら唐制を移されたれば、恐らくは金鶏の作り物にやあるべき
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「わかりました。そうご意中を承れば、こんどは、
此方
(
こなた
)
が出向いて、必ず劉岱をひきずり参らん。どうか此方をおつかわし下さい」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
マンチュアに
蟄
(
ちっ
)
してござれ、
忠實
(
まめやか
)
な
僕
(
をとこ
)
を
求
(
もと
)
め、
時折
(
ときおり
)
、
其
(
その
)
男
(
をとこ
)
して
此方
(
こなた
)
の
吉左右
(
きッさう
)
を
知
(
し
)
らせう。さ、
手
(
て
)
を。もう
晩
(
おそ
)
い。さらばぢゃ、
機嫌
(
きげん
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
是に於てか彼
首
(
かうべ
)
を振りて、我等
此方
(
こなた
)
に止まるべきや
如何
(
いかに
)
といひ、恰も一の
果實
(
このみ
)
に負くる
稚兒
(
をさなご
)
にむかふ人の如くにほゝゑみぬ 四三—四五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
演
(
のべ
)
長助お光の兩人は是で
此方
(
こなた
)
に
拔目
(
ぬけめ
)
はないと
小躍
(
こをどり
)
をして立戻り長助は
直
(
たゞ
)
ちに訴訟書をぞ
認
(
したゝ
)
めける
總
(
すべ
)
て公事は訴状面に
依
(
よつ
)
て
善惡
(
ぜんあく
)
邪正
(
じやしやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大きな
雨滴
(
あまだ
)
れの落ちる
木陰
(
こかげ
)
を急いで
此方
(
こなた
)
にやって来たが、二三歩前で、清三と顔見合わせて、ちょっと
会釈
(
えしゃく
)
して笑顔を見せて通り過ぎた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
譬
(
たと
)
へば敵の毛羽艶やかに
峨冠
(
がくわん
)
紅に
聳
(
そび
)
えたる鶏の如く、
此方
(
こなた
)
は見苦しき羽抜鳥の肩そぼろに胸
露
(
あら
)
はに貧しげなるが如くであつたが
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
トいいながら
徐
(
しず
)
かに
此方
(
こなた
)
を振向いたお政の顔を見れば、何時しか額に
芋蠋
(
いもむし
)
ほどの青筋を張らせ、
肝癪
(
かんしゃく
)
の
眥
(
まなじり
)
を釣上げて
唇
(
くちびる
)
をヒン曲げている。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
やがて彼が出づれば、待ちけるやうに男は入替りて、なほ飽くまで
此方
(
こなた
)
を向かざらんと為つつ、
蕭索
(
しめやか
)
に
浴
(
ゆ
)
を
行
(
つか
)
ふ音を立つるのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
子規の「
仰臥漫録
(
ぎょうがまんろく
)
」には免れ難い死に当面したあの
子規子
(
しきし
)
の
此方
(
こなた
)
の世界に対する執着が生々しいリアルな姿で表現されている。
備忘録
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それと同時に
此方
(
こなた
)
は文治の身の上、石川土佐守殿は再応文治をお取調べの上、
口証爪印
(
こうしょうつめいん
)
も相済みまして、いよ/\切腹を仰せ渡されました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かくして塔は
棟
(
むね
)
に入り、棟は
床
(
とこ
)
に
連
(
つら
)
なって、
不忍
(
しのばず
)
の
池
(
いけ
)
の、
此方
(
こなた
)
から見渡す
向
(
むこう
)
を、右から左へ
隙間
(
すきま
)
なく埋めて、大いなる火の絵図面が出来た。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
而して近隣の村々が、彼方にも、
此方
(
こなた
)
にも黒くなってこんもりとした森の中にしずかに溜息を洩らしているように見られた。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其方
(
そなた
)
はけたたましう何を呼ばうのぢや。(額に手を
翳
(
かざ
)
して、下手の方を眺めやり、また
此方
(
こなた
)
を向きて。)何が起つたのぢや。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
よし其儀ならば坐して滅亡を招かんよりは
此方
(
こなた
)
より攻入つて武勇の程を示さんには
不
レ
如
しかず
とて、去年の冬頃より内々人数を狩り催す云々
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
余等はまた
土皿投
(
かわらけな
)
げを試みた。手をはなれた土皿は、ヒラ/\/\と
宙返
(
ちゅうがえ
)
りして手もとに舞い込む様に
此方
(
こなた
)
の崖に落ち、中々
谷底
(
たにそこ
)
へは
届
(
とど
)
かぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
感歓
(
かんくわん
)
極
(
き
)
まりて涙に
咽
(
むせ
)
ばれしもあるべし、人を
押分
(
おしわ
)
くるやうにして
辛
(
から
)
く車を
向島
(
むかふじま
)
までやりしが、
長命寺
(
ちやうめいじ
)
より四五
間
(
けん
)
の
此方
(
こなた
)
にて
早
(
は
)
や
進
(
すゝむ
)
も
引
(
ひく
)
もならず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「さもこそあらめ、よくぞいひし。其方がいはずば
此方
(
こなた
)
より、
強
(
しい
)
ても勧めんと思ひしなり。
思
(
おもい
)
のままに武者修行して、天晴れ父の
仇敵
(
かたき
)
を討ちね」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
忽
(
たちま
)
ち人の跫音に
心附
(
こころづ
)
いたと見えて、灰色のおどろ髪を
振乱
(
ふりみだ
)
しつつ
此方
(
こなた
)
を
屹
(
きっ
)
と
顧
(
みかえ
)
った。市郎はつかつかと
其
(
そ
)
の
眼前
(
めさき
)
に現れた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わたくしは
此方
(
こなた
)
より訪ふべき人に訪はれたのであるから、先づ其
枉顧
(
わうこ
)
の好意を謝した。そして京水との親属関係を問うた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その中に運の悪い道筋を取ったものが、彼方の山から、
此方
(
こなた
)
の谷から、いろいろと落ち合って、遂に一つの「エタ」という大川になったのである。
エタ源流考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
せっかく、飛び出した男が持て余している時に、柳橋の角から、星明りの
闇夜
(
やみよ
)
に現われた人影が一つ、
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として
此方
(
こなた
)
に向いて歩いて来ます。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
船頭らしき、肩幅
闊
(
ひろ
)
く逞しげなる男に、基督の像を刻み附けたる十字架を捧げさせて説教せり。
此方
(
こなた
)
には聽衆いと少し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
果して、汽笛の音を聞きつけると、
彼方
(
かなた
)
の入江、
此方
(
こなた
)
の島影から、
端艇
(
ボート
)
が姿を現わし、本船目指して
漕
(
こ
)
ぎ寄せてくる。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
余吾之介は真暗な家の中に入ると、まだ
僅
(
わず
)
かに残る鹿の子の移り香を求めるように、
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
をよろめきましたが、最後に畳の上にドッカと坐って
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
右の如く解すれば同じ峠路の彼方
此方
(
こなた
)
でも、先ず往来を開きかけたアクチーフの側と、これを受けこれを利用したるパッシーフの側とは分明であって
峠に関する二、三の考察
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「いや折角ながら早立ちの旅、お見送りは固く辞退仕る——、長々お世話に相成った、御縁もあらばまたお眼にかかろうが、
此方
(
こなた
)
には呉々も御健固に」
おもかげ抄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何を
便
(
たより
)
に尋ぬべき、
燈
(
ともしび
)
の光を
的
(
あて
)
に、
數
(
かず
)
もなき
在家
(
ざいけ
)
を
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
彷徨
(
さまよ
)
ひて問ひけれども、絶えて知るものなきに、愈〻心惑ひて只〻茫然と
野中
(
のなか
)
に
彳
(
たゝず
)
みける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
此方
(
こなた
)
に入らせ給へとて、奥の方にいざなひ、酒
菓子
(
くだもの
)
種々
(
さまざま
)
と
管待
(
もてな
)
しつつ、
喜
(
うれ
)
しき
酔
(
ゑひ
)
ごこちに、つひに枕をともにしてかたるとおもへば、夜明けて夢さめぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
闇
(
やみ
)
にも
歡
(
よろこ
)
びあり、
光
(
ひかり
)
にも
悲
(
かなしみ
)
あり
麥藁帽
(
むぎわらばう
)
の
廂
(
ひさし
)
を
傾
(
かたむ
)
けて、
彼方
(
かなた
)
の
丘
(
をか
)
、
此方
(
こなた
)
の
林
(
はやし
)
を
望
(
のぞ
)
めば、まじ/\と
照
(
て
)
る
日
(
ひ
)
に
輝
(
かゞや
)
いて
眩
(
まば
)
ゆきばかりの
景色
(
けしき
)
。
自分
(
じぶん
)
は
思
(
おも
)
はず
泣
(
な
)
いた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
且つ予は倒れたる
枯木
(
こぼく
)
の丸太橋を
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
と小川をわたりながら馬匹の遊ぶを見るは実に言うべからざるの感ありて、恰も太古にはかくやらんと思われたり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
その縁側の
辺
(
あたり
)
から、富江の声が
霎時
(
しばし
)
聞えてゐたが、何やら鋭く笑ひ捨てて、縁側伝ひに足音が
此方
(
こなた
)
へ来る。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
利益と
泥
(
どろ
)
まみれの熱情との激流のさなかにあって、オリヴィエの眼と心とは、あたかも水上の花のように
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
に浮き出してる、独立せる人々の小島のほうへ
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
玄關
(
げんくわん
)
から
病室
(
びやうしつ
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
戸
(
と
)
は
開
(
ひら
)
かれてゐた。イワン、デミトリチは
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつて、
肘
(
ひぢ
)
を
突
(
つ
)
いて、さも
心配
(
しんぱい
)
さうに、
人聲
(
ひとごゑ
)
がするので
此方
(
こなた
)
を
見
(
み
)
て
耳
(
みゝ
)
を
欹
(
そばだ
)
てゝゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼女は、彼をその災難の
彼方
(
かなた
)
の過去と、その災難の
此方
(
こなた
)
の現在とに結びつける
黄金
(
こがね
)
の糸であった。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
彼方
(
かなた
)
に隠れ、
此方
(
こなた
)
に現はれ、昼
寝
(
い
)
ね、夜起きて、抜けつ潜りつ日を重ね行くうちに、いつしか思ひの外なる
日田
(
ひた
)
の天領に紛れ入りしかば、よき
序
(
ついで
)
なれと
英彦山
(
ひこさん
)
に紛れ入り
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この岡の崎にも、見おろす谷にも、其から二上山へかけての尾根尾根にも、ちらほら白く見えて、花の木がゆすれて居る。山の
此方
(
こなた
)
にも小桜の花が、咲き出したのである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「さあ、
此方
(
こなた
)
もそろ/\お出掛けなさるか。今夜こそ一ちよあれを描いてやらんにや。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
ゆうしは浪の
上
(
うえ
)
の
御帰
(
おんかえ
)
り
御館
(
おんやかた
)
の
首尾
(
しゅび
)
如何
(
いかゞ
)
此方
(
こなた
)
にては
忘
(
わす
)
れねばこそ
思
(
おも
)
い
出
(
いだ
)
さず
候
(
そろ
)
かしく
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
そして鳥の群が
彼方
(
かなた
)
、
此方
(
こなた
)
の軒に別れて飛ぶように彼等もまた二人か三人ずつに成って思い思いの門を訪れる。この節私は学校へ行く途中で、毎日のようにその毒消売の群に逢う。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
此方
(
こなた
)
に
紅菊
(
くれなゐぎく
)
の
徽章
(
きしよう
)
つけし
愛嬌
(
あいけう
)
沢山の紳士達の忙しげなるは接待係の外交官なるべし。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“此方”で始まる語句
此方様
此方側
此方衆
此方面
此方等
此方向
此方持
此方組
此方樣
此方人等