“こッち”の漢字の書き方と例文
語句割合
此方100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母は如何どうしたろうとうしろを振向く途端に、「おお作か」、という声がにわか寂然しんとなった座敷のうちに聞えたから、又此方こッちを振向くと、其処に伯父が居るようだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのかざぬしも全くもうとろけて了って、ポタリポタリと落来る無数のうじは其処らあたりにうようよぞろぞろ。是に食尽はみつくされて其主が全く骨と服ばかりに成れば、其次は此方こッちの番。
「戯談は除けて、幾程美しいと云ッたッてあんな娘にゃア、先方さきもそうだろうけれども此方こッちも気が無い」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)