“かんかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カンカン
語句割合
寛々22.7%
緩々18.2%
看貫15.9%
侃々9.1%
閑々4.5%
貛々4.5%
韓幹4.5%
間漢2.3%
乾々2.3%
体重器2.3%
桓々2.3%
桓寛2.3%
漢奸2.3%
管敢2.3%
閑寛2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうかすると、庭と申そうより、寛々かんかんとした空き地の広くおありになる宮よりは、もっと手入れが届いて居そうな気がする。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
永左衛門は運座で三才に抜けた自分の句を反芻しながら、それでも緩々かんかんたる気持で足を運んで居りました。
非常な高価と苦心とを以て集めきたった駒井の書物も、これを手放すとなると二束三文である。看貫かんかんで紙屑に売られる程度を最後の落ちとしなければならぬ。
もっとも善かれ悪かれ決戦ときめたいくさである、誰にしてもこの合戦におくれることはできないにちがいない。みんな肩肱かたひじを張って侃々かんかんとののしり叫んだ。
城を守る者 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二人が長堤を閑々かんかんと歩いていた時、屋形船から首を出して、お雪ちゃんに認められたところの男が、あわただしく首を引込めてから、船の中で大あくびをし
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これが、支那料理にある貛々かんかんしゃに当るかも知れない。次は、味噌汁つまりたぬき汁である。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
運が好ければ韓幹かんかんの馬でも百円位で買はふ気で居り、支那の笑話にある通り、杜荀鶴とじゆんかくの鶴の画なんといふ変なものをも買はぬとは限らぬ勢で、それでも画のみならまだしもの事
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
市井の間漢かんかん(定職のない遊び人)だったころは、のべつまりき身をやつして、こう二郎と人は呼ばず、高毬こうきゅうというあだ名で通って来たほどな男なのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつての殿帥府でんすいふ大尉だいい(近衛ノ大将)高俅こうきゅうは、さらに人臣の位階を極めていまでは大宋国たいそうこく総理の地位にあった。——もとはこれ市井の間漢かんかん、一介の鞠使まりつか高俅こうきゅうの出世したものである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十二月は余の大好だいすきな月である。絢爛けんらんの秋が過ぎて、落つるものは落ちつくし、るゝものは枯れ尽し、見るもの皆乾々かんかん浄々じょうじょうとして、さびしいにも寂しいが、寂しい中にも何とも云えぬあじがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
最近体重器かんかんにかかりませんが、正月頃用件で郷里の広島に帰った時には二十三貫ありました、図体ずうたいばかりで恥かしい次第ですよ、と赤瀬が云うのに、いや、羨しいことです
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
地方郡区の人民は桓々かんかんたる武夫をばその牧民官と仰がざるべからざらしめ、しかしていかなる高官大位の人も、いかなる博学多識の大学校の博士も、もしくは各中小学の教師も
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しからザレバ鳥啼ちょうてい虫吟ちゅうぎん沾沾ちょうちょうトシテみずかラ喜ビ佳処かしょアリトイヘドモ辺幅へんぷく固已もとヨリ狭シ。人ニ郷党自好じこうノ士アリ。詩ニモマタ郷党自好ノ詩アリ。桓寛かんかんガ『塩鉄論えんてつろん』ニ曰ク鄙儒ひじゅ都士としカズト。信ズベシ矣。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ところが漢奸かんかんだというので漢口の附近で一網打尽に殺戮さつりくされたらしい。漢口の山の中に伝書鳩の箱や設備が残っていたということだが、全然それきり消息がない。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
その晩、漢の軍侯ぐんこう管敢かんかんという者が陣を脱して匈奴の軍にくだった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
竹林院ノ中納言公重きんしげは、そんな閑寛かんかんたるふうではなかった。——ゆうべ思い余って一睡もとれなかったといっている。
「オお六ちゃん、かんかん結ってやろうか髪、今松小父さんが髪を」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)