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緩々
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かんかん
ふりがな文庫
“
緩々
(
かんかん
)” の例文
秀吉はそれを見届けて
緩々
(
かんかん
)
と石井山の本陣へもどった。すると山門の前に、官兵衛
孝高
(
よしたか
)
が待ちうけていて、何か、眼でものを云いながら寺内へ
従
(
つ
)
いて行った。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
永左衛門は運座で三才に抜けた自分の句を反芻しながら、それでも
緩々
(
かんかん
)
たる気持で足を運んで居りました。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こんなのが先ず普通である。だから峠の一方の側が急なら急な方から上り、表と裏とあれば裏の方から昇って、
緩々
(
かんかん
)
と水に沿うて下って来るように路順をこしらえることを力めねばならぬ。
峠に関する二、三の考察
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
で——今見かけたその
和歌
(
うた
)
から、少年の頃の記憶が
甦
(
よみがえ
)
って来たのであろう。
緩々
(
かんかん
)
たる牛の背で武蔵はなにげなく、その
和歌
(
うた
)
の
載
(
の
)
っていた太平記の一章を、口のうちでそら読みした。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
熱田の宮を出ると、それまで、疾風の如くであった信長の態度は、どこか
緩々
(
かんかん
)
たる余裕を示し、駒の背へ、横乗りに身をのせ掛けて、鞍の
前輪
(
まえわ
)
と後輪へ両手をかけながら揺られて行った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
百獣店
(
ももんじだな
)
から追ってきた源内は、とんだよい
道
(
みち
)
づれを見つけた気で、
緩々
(
かんかん
)
たる歩調とのどかなあるきばなしに、木曾風俗の
漫評
(
まんぴょう
)
や、
御岳山
(
おんたけさん
)
の裏谷で採った薬草の効能や、そうかと思うと、近頃
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは、敵の
計
(
はかり
)
だろうか。引きよせてつつむ法もなくはない。しかし、それなら高氏に、それらしい予見があろう。こう
緩々
(
かんかん
)
と、無人の
境
(
きょう
)
でも行くようなのは、何とも怪しむべきかぎりであった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は、
緩々
(
かんかん
)
たる気軽さで
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
々
3画
“緩”で始まる語句
緩
緩慢
緩漫
緩急
緩和
緩怠
緩徐調
緩怠至極
緩頬
緩衝