看貫かんかん)” の例文
が、いずれも同じことで、中味は綺麗にり替えられ、砂利と金物の屑を詰めて、巧みに看貫かんかん(重量)を誤魔化ごまかしただけの事です。
非常な高価と苦心とを以て集めきたった駒井の書物も、これを手放すとなると二束三文である。看貫かんかんで紙屑に売られる程度を最後の落ちとしなければならぬ。
「何ですね。若旦那だって、商売人の子じゃござんせんか。このくらい手近かにある現品の吟味ぎんみを、今更、おもてさらして野暮な実物看貫かんかんも出来ないじゃござんせんか。つもっても、ごろうじましな」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その間に、桟橋さんばしにある彼等の本船は、すべての積荷を終ってしまう。一万トンもある船腹は、不良品に充満する。石炭は、看貫かんかんをごまかし放題ごまかして、どしどしと、その期間に積みこまれた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
井戸の外でそれを受取った銭形の平次、しばらく「諏訪法性すわほっしょうかぶと」のように、れた金の茶釜を眺めておりましたが、やがて両手で捧げて看貫かんかん(重さ)を引くと
音や看貫かんかんや、作の具合を見ると、銅に金鍍金きんめっきをしたものらしく、安置物によくある品ですが、水に入ったのは昨今の様子で、大した変色もせず、さび上がってはいません。
相手が人間だけに、看貫かんかん(量目)を勘定して、砂利を詰め替えたのは憎いじゃありませんか