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緩
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ゆっく
ふりがな文庫
“
緩
(
ゆっく
)” の例文
それでもちょっと微笑して「イヤ遠方までわざわざ恐れいったことで、しかしお話するほどのこともありませんが、まあ御
緩
(
ゆっく
)
り……」
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
尤も朝飯は
成
(
な
)
る
可
(
べ
)
く早く済まして、支度は成る可く
緩
(
ゆっく
)
りするという手はありました。先達は紐の付いた木製の椀を腰に下げていました。
登山談義
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
助「湯河原は
打撲
(
うちみ
)
と
金瘡
(
きりきず
)
には
能
(
い
)
いというから、
緩
(
ゆっく
)
り湯治をなさるが
宜
(
い
)
い、
就
(
つい
)
てはこの仏壇の作料を上げましょう、
幾許
(
いくら
)
あげたらよいね」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新聞記者である彼が……あんなにまで熱心な態度を見せていた彼が、事件を見かけてコンナに
緩
(
ゆっく
)
り緩りした行動を執る筈はない。
殺人迷路:07 (連作探偵小説第七回)
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それだのに、まあ……お蔦さん……私……貴下に
叱言
(
こごと
)
を言うこともあるけれど、大事な用があるから、それを済ましてから
緩
(
ゆっく
)
りしましょうね。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
三人で飯を済ました
後
(
あと
)
、岡田は会社へ出勤しなければならないので、
緩
(
ゆっく
)
り案内をする時間がないのを残念がった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうかそんなら何も
慌
(
あわ
)
てるには及ばない。お前の欲しい物をすっかり上げるからまあ
緩
(
ゆっく
)
りするがよい。何が欲しいか」といいますと「まず金を出せ」という。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「そうか、そうすりゃあ、これからおいらも、
緩
(
ゆっく
)
り飲めるというものだが、しかし、その留守に、おまはんに悪あがきをされると、ちっとばかし、困るからなあ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
するとまた
翌日
(
あした
)
の朝がつらい。それじゃア文さん、
先刻
(
さっき
)
の事はいずれまた
翌日
(
あした
)
にも
緩
(
ゆっく
)
りお咄しましょう
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
暫くすると、老婦人が孫娘のような少女に抱えられ、ひどく
緩
(
ゆっく
)
りした足取りで階段を上って来る。
落日の光景
(新字新仮名)
/
外村繁
(著)
彼は、きょときょとと
四辺
(
あたり
)
を見廻しながら、
緩
(
ゆっく
)
り歩いたり、急に駈け出したり、滅茶苦茶だった。
熊の出る開墾地
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「浦島」が書き上ったら改造へ行く積り。「を」をも訪ねたく思う、い・何の便りもなし、さて御苦労様だった三十六よ、
緩
(
ゆっく
)
りおやすみ、よき眠りがあるだろう。地の上に恵みあれ。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
土地の名物
白絣
(
しろがすり
)
の上布に、お母さんのお古だという
藍鼠
(
あいねずみ
)
の
緞子
(
どんす
)
の帯は大へん似合っていた。西日をよけた番神堂の裏に丁度腰掛茶屋に外の人も居ず、三人は
緩
(
ゆっく
)
り腰を掛けて海を眺めた。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「いずれ
緩
(
ゆっく
)
り考えましょう」とうとう地丸はこう云って苦笑せざるを得なかった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
話をさせても他人の調子には
頓着
(
とんちゃく
)
なく、
緩
(
ゆっく
)
り句切って云うようなところがある。外出から帰ったところ。すこしの間部屋の真中に立って周囲を見まわし、思い出したようにピアノの前にいく。
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
可哀さうに私だつてまだ気が狂ふには間があります、なにね清さん詰まらない事なのよ、そりやあさうと清さん今夜は別に用がないなら
緩
(
ゆっく
)
り遊んでお
出
(
いで
)
なさいなと、さすがに
極
(
きま
)
り
悪
(
わ
)
るげな処へ
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その下を孫を
負
(
お
)
ぶった老婆が
緩
(
ゆっく
)
りゆっくり歩いて来る。
冬の日
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
では、ご
緩
(
ゆっく
)
り——
デパートの絞刑吏
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
つれのものも
皈
(
もど
)
りません。……まだまだ、ご
緩
(
ゆっく
)
り——ちょうど、お銚子のかわりも参りました——さ、おあつい処を——
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
文「國藏、
心置
(
こゝろおき
)
なく
緩
(
ゆっく
)
りと
後
(
あと
)
からまいれ、さアお町、もう
斯
(
こ
)
うなったら一刻も早く里へ出て支度をせねばならぬ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして、来た時よりは幾分か空気に
暖味
(
あたたかみ
)
が出来た。平岡は久し振りに一杯飲もうと云い出した。三千代も支度をするから、
緩
(
ゆっく
)
りして行ってくれと頼む様に留めて、次の間へ立った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
殺しに追って来る 気遣いもなかろうという考えで
緩
(
ゆっく
)
りして居りました。すると彼らから買うた一疋の羊が死んでしまったです。誠に可哀そうに感じて相当の
回向
(
えこう
)
もしてやりました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「よしそれでは
緩
(
ゆっく
)
り行こう」——紋太郎はそこで足をゆるめた。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
坊
(
ぼっ
)
ちやん、
緩
(
ゆっく
)
り遊んでやつて下さい。直ぐ寝つちまつちやあ
不可
(
いけ
)
ませんよ、
何
(
ど
)
うも御苦労様なことツたら、」
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何事も気を永くして時節の来るのを待たなければならない、また病も治らん事はありませんから
緩
(
ゆっく
)
りお寝なさい、
明日
(
あした
)
は会いたいと云う人が
屹度
(
きっと
)
来ましょう
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今日は沢山。そう
緩
(
ゆっく
)
りしちゃいられないの」と云って、昔の金歯を一寸見せた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうかそんな事をして下さらずに内へ入って
緩
(
ゆっく
)
りお休み下さい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
御本家からも
宜
(
よろ
)
しくでござりやす。いずれ喜十郎様お目に
懸
(
かか
)
りますだが、まず
緩
(
ゆっく
)
りと休まっしゃりましとよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中「はい、親族だけに手前へ此の役を仰せ付けられました、
上
(
かみ
)
から仰せ付けでございますから、仰せ付けられ
書
(
がき
)
を
一
(
ひ
)
と通り読上げた上で
緩
(
ゆっく
)
りお話し致しましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「帰りには車を云い付けて上げるから
可
(
い
)
いでしょう。
緩
(
ゆっく
)
りなさい」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母様
(
かあさん
)
が可い、と云ったら、天下晴れたものなんだわ。
緩
(
ゆっく
)
り
召食
(
めしあが
)
れ。そして、是非今夜は泊るんですよ。そのつもりで風呂も
沸
(
わか
)
してありますから、お入んなさい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは役だから
先
(
ま
)
ず役だけ済んだ、これから
緩
(
ゆっく
)
り話しましょう……時にお
差支
(
さしつかえ
)
もあるまいが此の中には五十両あります、故郷へは錦を飾れという事でございますから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
駕籠舁
(
かごかき
)
と、
車夫
(
くるまや
)
は、
建場
(
たてば
)
で飲むのは仕来りでさ。ご心配なさらねえで、ご
緩
(
ゆっく
)
り。若奥様に、多分にお心付を頂きました。ご
冥加
(
みょうが
)
でして、へい、どうぞ、お初穂を……
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
主「助けると思って殺させる者はない、其の訳は
緩
(
ゆっく
)
り聞こうから兎も角
私
(
わし
)
と一緒にお出でなさい」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうぞハイ
緩
(
ゆっく
)
り休まっしゃりましと、口上言うたが、着物は
既
(
すんで
)
に浴衣に着換えて、
燭台
(
しょくだい
)
の
傍
(
わき
)
へ……こりゃな、仁右衛門や
私
(
わし
)
が時々見廻りに
行
(
ゆ
)
く時、
皆
(
みんな
)
閉切ってあって
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蟠「お前は一体器用だからな、婆ア少しお前に頼みがある、今日はまア
緩
(
ゆっく
)
り遊んで
往
(
ゆ
)
くが
宜
(
よ
)
い」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
飛んでもねえ、
緩
(
ゆっく
)
りしてくんねえ。何さ、実はお
前
(
めえ
)
、聞いていなすったか、その今日だ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
是から往って物を見て値を付けて、そこで其の内を五百円買うとか二百円買うとか仕なければ、
固
(
もと
)
より慣れぬ商売の事だから、慌てちゃアいかん、何ういう訳だかまア
緩
(
ゆっく
)
りと昔話も仕たいから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
緩
(
ゆっく
)
り
歩行
(
ある
)
いても
追着
(
おッつ
)
いて来ないから、内へ帰ったろうと思ったのに。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
孫「まア女は女どしだからお前の処へ連れて行って
緩
(
ゆっく
)
り話をしなさい」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三年の間癪が治りまへんと、世話アするのは
私
(
わちき
)
一人、辛うざます、素人の嬢さん見たような花魁に世話ばかり焼かして苦労ばかりさせて、本当に
悪
(
にく
)
らしいよ、床へ這入って
緩
(
ゆっく
)
りと
寐
(
ね
)
物語りをして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
緩
(
ゆっく
)
り
御寝
(
おやす
)
みなさいまし、まだお早うございますから、私共は
皆
(
みんな
)
起きております、御用がございましたら御遠慮なく手をお叩き遊ばして、それからあのお湯でございますが、一晩沸いておりますから
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伊「正孝能く来てくれた、
幇間
(
たいこもち
)
も多い中で来てくれたのはお前ばかりだ、己も足を切ると云う訳だが、
皆
(
みんな
)
道楽をして親に苦労させた
罰
(
ばち
)
だと思っているがネ、能く来てくれた、
緩
(
ゆっく
)
り遊んで
往
(
ゆ
)
きねえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
緩
(
ゆっく
)
り居なされば
可
(
い
)
いに——では、またじきに来なさいよ。」
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
己
(
うら
)
のような百姓に
傍
(
そべ
)
へ参って
緩
(
ゆっく
)
りてえ挨拶して行くたアえらいねえと噂アして、お
前
(
めえ
)
さま帰って仕舞った
後
(
あと
)
で見ると置いた
包
(
つゝみ
)
が
無
(
ね
)
えから後を
追掛
(
おっか
)
けてお
前
(
まえ
)
さまア尋ねたが、
混雑中
(
こむなか
)
だから知れましねえ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いや、御苦労様、これから
緩
(
ゆっく
)
りとおひけに
相成
(
あいなり
)
ます?」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伊「何処ッてえでもねえが、
私
(
わし
)
が子供のころに里にやられていた
家
(
うち
)
で、今じゃア神奈川の在にはいって百姓をしているんさ、まア兎も角もそこに落著いて、それから
緩
(
ゆっく
)
り相談することに仕ましょうよ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おばさん、
緩
(
ゆっく
)
りだったでしょう、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「今御膳を上げますから、
嘸
(
さぞ
)
お
草臥
(
くたびれ
)
でしょう、まア
緩
(
ゆっく
)
りと」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又「只今主人のいう通り、慌てずに
緩
(
ゆっく
)
りお考えなさい」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緩”を含む語句
緩々
御緩
緩慢
弛緩
緩漫
遅緩
緩急
手緩
緩和
間緩
緩怠
緩徐調
緩頬
緩然
緩舒
怠緩
緩下剤
緩傾斜
遲緩
緩流
...