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緩
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ゆつく
ふりがな文庫
“
緩
(
ゆつく
)” の例文
客が少くて、殊に二等室は
緩
(
ゆつく
)
りとしたもの。汽笛の鳴る迄を先生は汽車衝突の話をされる。それは戦役当時の事であつたとか。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
三千代
(
みちよ
)
も
支度
(
したく
)
をするから、
緩
(
ゆつく
)
りして
行
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れと
頼
(
たの
)
む様に
留
(
と
)
めて、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ
立
(
た
)
つた。代助は其
後姿
(
うしろすがた
)
を見て、どうかして
金
(
かね
)
を
拵
(
こしら
)
へてやりたいと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ぢや御客様にはえらい失礼だが、
私
(
わし
)
あ馬を起しに行つて来るだあから、お前は御客様を奥に通して、行輔が帰つて来る
迄
(
まで
)
、
緩
(
ゆつく
)
り御休ませ申して置け」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
時々ベシーは仕事に氣をとられて繰返しを非常に長く
緩
(
ゆつく
)
り引張つた。「むかし、むかし」の一節が
挽歌
(
ばんか
)
の悲痛極まる
抑揚
(
よくやう
)
のやうに響いた。彼女は、
他
(
ほか
)
の小唄を唄ひ出した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
といふと、吉兵衛は女と金の事しか考へた事のない頭を、勿体ぶつて一寸
掉
(
ふ
)
つてみせた。そして一言一句が五十銭づつの値段でもするやうに、
出
(
だ
)
し
惜
(
をし
)
みをするらしく
緩
(
ゆつく
)
りした調子で
贋物
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
戸外
(
おもて
)
へ来て案内する時のその声といふものが、実に無いんですよ。
毎
(
いつ
)
でも
極
(
きま
)
つて、『頼みます、はい頼みます』とかう
雍
(
しとやか
)
に、
緩
(
ゆつく
)
り二声言ふんで。もうもうその声を聞くと
悚然
(
ぞつ
)
として、ああ
可厭
(
いや
)
だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
為方
(
しかた
)
がないさ、まア
緩
(
ゆつく
)
り探す事です。」と湯村は鷹揚に云つた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
渠は
緩
(
ゆつく
)
りした歩調で階段を降りて、秋野と共に各級をその新しい場所に導いた。孝子は新入生を集めて列を作らしてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「死んで了つたものは仕方が無え、明日帰つて、
緩
(
ゆつく
)
り
葬礼
(
ともれひ
)
を出して遣るから、もう帰つて呉れても好い」との無情な言草には、使の者も
殆
(
ほとん
)
ど
呆
(
あき
)
れ返つたとの事だ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
といふと、吉兵衛は女と金の事しか考へた事のない頭を、勿体ぶつて一寸
掉
(
ふ
)
つてみせた。そして一言一句が五十銭づつの値段でもするやうに、
出
(
だ
)
し
惜
(
をし
)
みをするらしく
緩
(
ゆつく
)
りした調子で
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
今日
(
けふ
)
は
沢山
(
たくさん
)
。さう
緩
(
ゆつく
)
りしちやゐられないの」と云つて、
昔
(
むかし
)
の
金歯
(
きんば
)
を
一寸
(
ちょつと
)
見せた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『おや然う。まあ
甚麽
(
どんな
)
にか宅ぢや御世話樣になりましたか、
眞
(
ほん
)
に遠い所をよく
入來
(
いらつしや
)
つた。まあ/\お二人共自分の家へ來た積りで、
緩
(
ゆつく
)
り見物でもなさいましよ。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いま一遍は、愈新聞の方が
極
(
き
)
まつたから、
一晩
(
ひとばん
)
緩
(
ゆつく
)
り
君
(
きみ
)
と
飲
(
の
)
みたい。
何日
(
いくか
)
に
来
(
き
)
て呉れといふ平岡の
端書
(
はがき
)
が
着
(
つ
)
いた時、折悪く差支が出来たからと云つて散歩の序に断わりに
寄
(
よ
)
つたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私達の味覚は嗅覚だの聴覚だのと一緒に
漸次
(
だん/″\
)
と
繊細
(
きやしや
)
に緻密になつて来たに相違ないが、其の一面にはお互の生活に殆ど
緩
(
ゆつく
)
り物を味ふといふ程の
余裕
(
ゆとり
)
が無くなつて、どうかすると
刺戟性
(
しげきせい
)
のもので
茸の香
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『おや
然
(
さ
)
う。まあ
甚麽
(
どんな
)
にか
宅
(
うち
)
ぢや御世話様になりましたか。
真
(
ほんと
)
に遠い所をよく
入来
(
いらし
)
つた。まあ/\お二人共自分の家へ来た積りで、
緩
(
ゆつく
)
り見物でもなさいましよ。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『何れ
後刻
(
あと
)
で
緩
(
ゆつく
)
りお話しようと思つてあんしたつたども、今迄その暇がなくて一寸此処にお預りして置いた訳でごあんす。何しろ思懸けないことでごあんしてなす。ハ。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
後に聞いたが、編輯長は松永の退社に就いて、最初
却々
(
なか/\
)
聞き入れなかつたさうだ。半年なり、一年なり
緩
(
ゆつく
)
り保養してゐても、社の方では別に苦しく思はない、さう言つたさうだ。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『可いさ。外交に出たら、家へ寄つて
緩
(
ゆつく
)
り晝寢をして來れば同じ
事
(
こつ
)
た。』
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幸ひ好い奉公の口があつたが、先づ四五日は
緩
(
ゆつく
)
り遊んだが
可
(
よ
)
からうといふ源助の話を聞いて、二人は夕餐が濟むと間もなく二階に上つた。二人共『疲れた。』と許り、べたりと横に坐つて、話もない。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幸ひ好い奉公の口があつたが、先づ四五日は
緩
(
ゆつく
)
り遊んだが可からうといふ源助の話を聞いて、二人は
夕餐
(
ゆふめし
)
が済むと間もなく二階に上つた。二人共「疲れた。」と許り、べたりと横に坐つて、話もない。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
否
(
いゝえ
)
。土曜日ですもの、
緩
(
ゆつく
)
りしてらつしつても可いわね』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
否
(
いいえ
)
、土曜日ですもの、
緩
(
ゆつく
)
りしてらしつても
可
(
い
)
いわね?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緩”を含む語句
緩々
御緩
緩慢
弛緩
緩漫
遅緩
緩急
手緩
緩和
間緩
緩怠
緩徐調
緩頬
緩然
緩舒
怠緩
緩下剤
緩傾斜
遲緩
緩流
...