)” の例文
一斉いっとき動揺どよめいて、都大路を八方へあふれる時、揚出しの鍋は百人の湯気を立て、隣近となりぢかな汁粉屋、その氷月の小座敷には、閨秀二人が、雪も消えて、衣紋えもんも、つまも、春の色にややけたであろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)