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緩
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ゆつ
ふりがな文庫
“
緩
(
ゆつ
)” の例文
「さあ。事情次第だが。実は
緩
(
ゆつ
)
くり君に相談して見様と思つてゐたんだが。
何
(
ど
)
うだらう、
君
(
きみ
)
の
兄
(
にい
)
さんの会社の方に
口
(
くち
)
はあるまいか」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「叔父さん」と子供は
後
(
あと
)
を見送りながら呼んだ。「そんなに急がないで、
緩
(
ゆつ
)
くりお
往
(
い
)
きよ、ワシントンはもう死んぢやつてるんだよ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此次
(
このつぎ
)
の
座敷
(
ざしき
)
はきたなくつて
狭
(
せま
)
うございますが、
蒲団
(
ふとん
)
の
皮
(
かは
)
も
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へたばかりでまだ
垢
(
あか
)
もたんと
附
(
つ
)
きませんから、
緩
(
ゆつ
)
くりお休みなさいまし
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「本当にかう毎晩のやうに火事があつては、
緩
(
ゆつ
)
くり寝ても居られねえだ。本当に早く
何
(
ど
)
うか
為
(
し
)
て貰はねえでは……」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『さうだツか、お泊りやすか。……其の方が
緩
(
ゆつ
)
くりしてよろしおますな。……なア奧さん。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
お
品
(
しな
)
はおつぎを
今朝
(
けさ
)
は
緩
(
ゆつ
)
くりさせてやらうと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。それでもおつぎは
鷄
(
にはとり
)
が
又
(
また
)
鳴
(
な
)
いた
時
(
とき
)
むつくり
起
(
お
)
きた。いつもと
違
(
ちが
)
つて
餘
(
あま
)
りひつそりして
居
(
ゐ
)
るので
驚
(
おどろ
)
いたやうにあたりを
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
烟草を
閑
(
しづか
)
に
緩
(
ゆつ
)
くり吸ひ込み、軽い穏な雲を吹き出し、時としては烟管を口から引き出し、匂ひの善い烟に鼻のあたりで環を書かせ、
物体
(
もつたい
)
らしく
頷
(
うなづ
)
いて、その腹からの大賛成を表します。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
『大丈夫だといふに。……
緩
(
ゆつ
)
くり晝寢でもしてゆくから、構はず歸り給へ。』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其所
(
そこ
)
迄
(
まで
)
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
たから、
序
(
ついで
)
に
寄
(
よ
)
つたんだとか
云
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
の
薦
(
すゝ
)
める
通
(
とほ
)
り、
茶
(
ちや
)
を
飮
(
の
)
んだり
菓子
(
くわし
)
を
食
(
た
)
べたり、
緩
(
ゆつ
)
くり
寛
(
くつ
)
ろいだ
話
(
はなし
)
をして
歸
(
かへ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
写真師は顔を真赤にして
遁
(
に
)
げ出した。そして
後
(
あと
)
で
緩
(
ゆつ
)
くり考へてみると、成程米国の副統領には顔は一つしか無かつた。
恰
(
ちやう
)
ど
屠牛所
(
とぎうしよ
)
の牛と同じやうに。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「まア、御疲れだせうに、
緩
(
ゆつ
)
くり横にでも成つて休まつしやれ。
牟礼
(
むれ
)
には三里には遠いだすから」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『大丈夫だといふに。……
緩
(
ゆつ
)
くり昼寝でもしてゆくから、構はず帰り給へ。』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「おつう、せかねえでもえゝぞ、
俺
(
お
)
ら
今朝
(
けさ
)
少
(
すこ
)
し
工合
(
ぐえゝ
)
が
惡
(
わり
)
いから
緩
(
ゆつ
)
くりすつかんなよ」お
品
(
しな
)
はいつた。おつぎは
暫
(
しばら
)
くもぢ/\しながら
帶
(
おび
)
を
締
(
しめ
)
て
大戸
(
おほど
)
を一
枚
(
まい
)
がら/\と
開
(
あ
)
けて
目
(
め
)
をこすりながら
庭
(
には
)
へ
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
御米
(
およね
)
は
猶
(
なほ
)
と
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
した。
宗助
(
そうすけ
)
も
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れて、
發作
(
ほつさ
)
の
治
(
をさ
)
まるのを
穩
(
おだ
)
やかに
待
(
ま
)
つてゐた。さうして、
緩
(
ゆつ
)
くり
御米
(
およね
)
の
説明
(
せつめい
)
を
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あきまへん、
迚
(
とて
)
もあきまへんよつて、お先きへ往かしとくなはれや、そしてお爺さんは
後
(
あと
)
から
緩
(
ゆつ
)
くりおいなはれ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
母の手紙はあとで
緩
(
ゆつ
)
くり
覧
(
み
)
る事として、取り敢ず食事を済まして、烟草を
吹
(
ふ
)
かした。其
烟
(
けむ
)
を見ると
先刻
(
さつき
)
の講義を思ひ出す。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まあ、
可哀
(
かあい
)
さうに。こんなに縛られてゐて、どんなにか苦しからうよ。さあさあ
緩
(
ゆつ
)
くり息をつくといい。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「うん、まあ、ある様な
無
(
な
)
い様なもんだ。
無
(
な
)
ければ当分
遊
(
あそ
)
ぶ丈の事だ。
緩
(
ゆつ
)
くり
探
(
さが
)
してゐるうちには
何
(
ど
)
うかなるだらう」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「画つてものは、そんなに忙しさうに
描
(
か
)
いちや駄目だよ、
緩
(
ゆつ
)
くり落着いて掛らなくつちや。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何
(
いづ
)
れ
緩
(
ゆつ
)
くりみんなで
寄
(
よ
)
つて
極
(
き
)
めやう、
都合
(
つがふ
)
がよければ
小六
(
ころく
)
も
列席
(
れつせき
)
するが
好
(
よ
)
からうといふのが
別
(
わか
)
れる
時
(
とき
)
の
言葉
(
ことば
)
であつた。
二人
(
ふたり
)
になつたとき、
御米
(
およね
)
は
宗助
(
そうすけ
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なに
)
二ヶ月や三ヶ月は、書物か衣類を売り払つても
何
(
ど
)
うかなると
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
高
(
たか
)
を
括
(
くゝ
)
つて落ち
付
(
つ
)
いてゐた。
事
(
こと
)
の落着次第
緩
(
ゆつ
)
くり職業を
探
(
さが
)
すと云ふ分別もあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
美禰子は
食物
(
くひもの
)
を小皿へ取りながら、与次郎と応対してゐる。言葉に少しも
淀
(
よどみ
)
がない。しかも
緩
(
ゆつ
)
くり落付いてゐる。殆んど与次郎の顔を見ない位である。三四郎は敬服した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これを
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
へ入れて、片付けるんです。今に先生も帰つて
来
(
き
)
て手伝ふ筈だから訳はない。——君、
跼
(
しや
)
がんで本なんぞ読み
出
(
だ
)
しちや困る。
後
(
あと
)
で借りて行つて
緩
(
ゆつ
)
くり
読
(
よ
)
むがいゝ
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緩”を含む語句
緩々
御緩
緩慢
弛緩
緩漫
遅緩
緩急
手緩
緩和
間緩
緩怠
緩徐調
緩頬
緩然
緩舒
怠緩
緩下剤
緩傾斜
遲緩
緩流
...