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緩
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ゆ
ふりがな文庫
“
緩
(
ゆ
)” の例文
残念ながら何時ものように出てから
緩
(
ゆ
)
っくり話してやろうと思って我慢するより仕方がない。マジョール湖の絵葉書は、表も裏も面白かった。
新しき夫の愛:牢獄の夫より妻への愛の手紙
(新字新仮名)
/
若杉鳥子
(著)
折を見て
此方
(
こつち
)
から持ち掛けると、まあ
緩
(
ゆ
)
つくり話すとか何とか云つて、
中々
(
なか/\
)
埒
(
らち
)
を
開
(
あ
)
けない。代助は
仕方
(
しかた
)
なしに、仕舞に
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その白帝園の裏手から葉桜の土手を歩いて右へ、
緩
(
ゆ
)
るいだらだら
阪
(
さか
)
を少しのぼると、
犬山焼
(
いぬやまやき
)
の同じ構えの店が並んでいる。それから廻ると、公園の広場になる。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
うす気味わるやにたにたの笑ひ顔、坂本へ
出
(
いで
)
ては用心し
給
(
たま
)
へ
千住
(
せんぢゆ
)
がへりの
青物車
(
あをものぐるま
)
にお足元あぶなし、三嶋様の角までは気違ひ街道、
御顔
(
おんかほ
)
のしまり
何
(
いづ
)
れも
緩
(
ゆ
)
るみて
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでそんなとき——ことに食事のときなどは、彼らの足弱がかえって迷惑になった。食膳のものへとまりに来るときは追う箸をことさら
緩
(
ゆ
)
っくり動かさなくてはならない。
冬の蠅
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
▼ もっと見る
その爲めにはあなたは協力者を得なくてはならない。兄弟ではない、兄弟では
紐
(
ひも
)
が
緩
(
ゆ
)
るすぎます、
良人
(
をつと
)
でなくてはなりません。僕だつて、矢張り妹を欲しいとは思ひません。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
自分たちもこの画中の人に加わって欄に倚って月を眺めていると、月は
緩
(
ゆ
)
るやかに流るる水面に澄んで映っている。
羽虫
(
はむし
)
が水を
摶
(
う
)
つごとに細紋起きてしばらく月の
面
(
おも
)
に
小皺
(
こじわ
)
がよるばかり。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
我劇の古色を
傷
(
きずつ
)
くる限りは出来ぬ相談なるが故に、我邦の楽にて推し通すは可也、然れども願くは、楽と動との関係を
最少
(
もすこ
)
し
緩
(
ゆ
)
るくして、演者の活溌なる動作を見ることを得たきものなり。
劇詩の前途如何
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
うす
氣味
(
きみ
)
わるやにたにたの
笑
(
わら
)
ひ
顏
(
がほ
)
、
坂本
(
さかもと
)
へ
出
(
いで
)
ては
用心
(
ようじん
)
し
給
(
たま
)
へ
千住
(
せんじゆ
)
がへりの
青物車
(
あをものぐるま
)
にお
足元
(
あしもと
)
あぶなし、三
島樣
(
しまさま
)
の
角
(
かど
)
までは
氣違
(
きちが
)
ひ
街道
(
かいだう
)
、
御顏
(
おんかほ
)
のしまり
何
(
いづ
)
れも
緩
(
ゆ
)
るみて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「まあ奥様でも
御貰
(
おもら
)
いになってから、
緩
(
ゆ
)
っくり、御役でも御探しなさる御積りなんでしょうよ」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その汽笛のぼうううは島と空とに
緩
(
ゆ
)
るく深く響いて、遠心的に白く広く拡がってゆく。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
御顏のしまり何れも
緩
(
ゆ
)
るみて、はゞかりながら御鼻の下ながながと見えさせ給へば、そんじよ其處らに夫れ大した
御男子樣
(
ごなんしさま
)
とて、分厘の
價値
(
ねうち
)
も無しと、辻に立ちて御慮外を申もありけり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「まあ、それはおって
緩
(
ゆ
)
っくり話すよ。僕も井上先生には大変世話になったし、僕の力で出来る事は何でも先生のためにする気なんだがね。結婚なんて、そう思う通りに急に出来るものじゃないさ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
波動
(
はどう
)
は
甘
(
あま
)
く、また、
緩
(
ゆ
)
るく、
戸
(
と
)
に照りかへす
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
誰
(
たれ
)
が
思
(
がも
)
ひにか
比
(
ひ
)
す
螢
(
ほたる
)
一
ツ
風
(
かぜ
)
にたゞよひて
只
(
たゞ
)
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
、いと
子
(
こ
)
及
(
およ
)
ぶまじと
知
(
し
)
りても
只
(
たゞ
)
は
有
(
あ
)
られず、ツト
團扇
(
うちわ
)
を
高
(
たか
)
くあぐればアナヤ
螢
(
ほたる
)
は
空遠
(
そらとほ
)
く
飛
(
と
)
んで
手元
(
てもと
)
いかゞ
緩
(
ゆ
)
るびけん、
團扇
(
うちわ
)
は
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
垣
(
がき
)
越
(
こ
)
えて
落
(
お
)
ちぬ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やはり平生のごとく落ちついて、
緩
(
ゆ
)
るりと探究するに
若
(
し
)
くなしと決心を定めた。それでその晩は
煩悶
(
はんもん
)
焦慮もせず、例の通り静かに書斎に入って、せんだって
中
(
じゅう
)
からの取調物を引き続いてやる事にした。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
緩
(
ゆ
)
るやかにねぶたき
砥石
(
といし
)
。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ただひびく
緩
(
ゆ
)
るく
鈍刀
(
なまくら
)
。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緩”を含む語句
緩々
御緩
緩慢
弛緩
緩漫
遅緩
緩急
手緩
緩和
間緩
緩怠
緩徐調
緩頬
緩然
緩舒
怠緩
緩下剤
緩傾斜
遲緩
緩流
...