)” の例文
残念ながら何時ものように出てからっくり話してやろうと思って我慢するより仕方がない。マジョール湖の絵葉書は、表も裏も面白かった。
折を見て此方こつちから持ち掛けると、まあつくり話すとか何とか云つて、中々なか/\らちけない。代助は仕方しかたなしに、仕舞に
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その白帝園の裏手から葉桜の土手を歩いて右へ、るいだらだらさかを少しのぼると、犬山焼いぬやまやきの同じ構えの店が並んでいる。それから廻ると、公園の広場になる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
うす気味わるやにたにたの笑ひ顔、坂本へいでては用心したま千住せんぢゆがへりの青物車あをものぐるまにお足元あぶなし、三嶋様の角までは気違ひ街道、御顔おんかほのしまりいづれもるみて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それでそんなとき——ことに食事のときなどは、彼らの足弱がかえって迷惑になった。食膳のものへとまりに来るときは追う箸をことさらっくり動かさなくてはならない。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
その爲めにはあなたは協力者を得なくてはならない。兄弟ではない、兄弟ではひもるすぎます、良人をつとでなくてはなりません。僕だつて、矢張り妹を欲しいとは思ひません。
自分たちもこの画中の人に加わって欄に倚って月を眺めていると、月はるやかに流るる水面に澄んで映っている。羽虫はむしが水をつごとに細紋起きてしばらく月のおも小皺こじわがよるばかり。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
我劇の古色をきずつくる限りは出来ぬ相談なるが故に、我邦の楽にて推し通すは可也、然れども願くは、楽と動との関係を最少もすこるくして、演者の活溌なる動作を見ることを得たきものなり。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
うす氣味きみわるやにたにたのわらがほ坂本さかもといでては用心ようじんたま千住せんじゆがへりの青物車あをものぐるまにお足元あしもとあぶなし、三島樣しまさまかどまでは氣違きちが街道かいだう御顏おんかほのしまりいづれもるみて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まあ奥様でも御貰おもらいになってから、っくり、御役でも御探しなさる御積りなんでしょうよ」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その汽笛のぼうううは島と空とにるく深く響いて、遠心的に白く広く拡がってゆく。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
御顏のしまり何れもるみて、はゞかりながら御鼻の下ながながと見えさせ給へば、そんじよ其處らに夫れ大した御男子樣ごなんしさまとて、分厘の價値ねうちも無しと、辻に立ちて御慮外を申もありけり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まあ、それはおってっくり話すよ。僕も井上先生には大変世話になったし、僕の力で出来る事は何でも先生のためにする気なんだがね。結婚なんて、そう思う通りに急に出来るものじゃないさ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
波動はどうあまく、また、るく、に照りかへす
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たれがもひにかほたるかぜにたゞよひてたゞまへ、いとおよぶまじとりてもたゞられず、ツト團扇うちわたかくあぐればアナヤほたる空遠そらとほんで手元てもといかゞるびけん、團扇うちわはながきえてちぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やはり平生のごとく落ちついて、るりと探究するにくなしと決心を定めた。それでその晩は煩悶はんもん焦慮もせず、例の通り静かに書斎に入って、せんだってじゅうからの取調物を引き続いてやる事にした。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
るやかにねぶたき砥石といし
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ただひびくるく鈍刀なまくら
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)