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つうろ
家と
家の
間の
通路となっている
路地しか、
子供たちにとって、
遊び
場がなかったのを、ようやく、
青物が
出まわり、
家庭菜園などというものが
影を
消してから、ふたたび、いままでのごとく
進んで大蘆村に
至れば櫻井郡長之より
帰途に
就かる、村を
過ぐれば
愈いよ無人の
境となり、利根河岸の
絶壁に横はれる
細逕に入る、
進むこと凡二里にして
道全く
尽き、猟夫の
通路又見るを
得ず
ほんにお
前の
心遣ひが
思はれると
嬉しき
中にも
思ふまゝの
通路が
叶はねば、
愚痴の一トつかみ
賤しき
身分を
情なげに
言はれて、
本當に
私は
親不孝だと
思ひまする