“細逕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいけい50.0%
ほそみち50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武男は浪子をたすけ引きて、山の根の岩を伝える一条の細逕さいけいを、しばしば立ちどまりてはいこいつつ、一ちょうあまり行きて、しゃらしゃら滝の下にいたりつ。滝の横手に小さき不動堂あり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
すすんで大蘆村にいたれば櫻井郡長之より帰途きとかる、村をぐればいよいよ無人のけうとなり、利根河岸の絶壁ぜつぺきに横はれる細逕さいけいに入る、すすむこと凡二里にしてみちまつたき、猟夫の通路つうろ又見るを
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
家の横手よこてをお宮の方へ登って行く、上阪という細逕ほそみちがあって、それを隔てたすぐ西隣の田のへりに、この記念すべき植物が、毎年三、四かぶ自生していたのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「贈子道。駒子村南径路斜。碧叢連圃槖駝家。柳翁別有栽培術。常発文園錦様花。」駒込村の南の細逕ほそみちで、門並植木屋があつたと云ふから、梧堂は籔下辺に住んでゐたのではなからうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)