“通路(つうろ)” の例文
そして私は自分の隱れるようにしてゐた片隅を立つて、都合よく間近(まぢか)にあつた傍戸(わきど)から出た。そこから狹い通路(つうろ)が廣間の方へ通じてゐるのである。
是非(ぜひ)吾助(ごすけ)も拜見(はいけん)が仕(し)たければ、此頃(このごろ)に姉樣(ねえさま)にお願(ねが)ひなされ、お書(か)き捨(す)てを頂(いたゞ)きて給(たま)はれ、必(かな)らず、屹度(きつと)と返事(へんじ)の通路(つうろ)を此處(こヽ)にをしへ、一日(いちにち)を待(ま)ち二日(ふつか)を待(ま)ち
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人の足立(あしたて)がたき処あれば一条(でう)の道(みち)を開(ひら)き、春にいたり雪堆(うづだか)き所は壇層(だん/\)を作りて通路(つうろ)の便(べん)とす。形(かたち)匣階(はこばしご)のごとし。所(ところ)の者(もの)はこれを登下(のぼりくだり)するに脚(あし)に慣(なれ)て一歩(ひとあし)もあやまつ事なし。
家(いえ)と家(いえ)の間(あいだ)の通路(つうろ)となっている路地(ろじ)しか、子供(こども)たちにとって、遊(あそ)び場(ば)がなかったのを、ようやく、青物(あおもの)が出(で)まわり、家庭菜園(かていさいえん)などというものが影(かげ)を消(け)してから、ふたたび、いままでのごとく
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
進(すす)んで大蘆村に至(いた)れば櫻井郡長之より帰途(きと)に就(つ)かる、村を過(す)ぐれば愈(いよ)いよ無人の境(けう)となり、利根河岸の絶壁(ぜつぺき)に横はれる細逕(さいけい)に入る、進(すす)むこと凡二里にして道(みち)全(まつた)く尽(つ)き、猟夫の通路(つうろ)又見るを得(え)ず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
ほんにお前(まへ)の心遣(こゝろづか)ひが思(おも)はれると嬉(うれ)しき中(なか)にも思(おも)ふまゝの通路(つうろ)が叶(かな)はねば、愚痴(ぐち)の一トつかみ賤(いや)しき身分(みぶん)を情(なさけ)なげに言(い)はれて、本當(ほんたう)に私(わたし)は親不孝(おやふかう)だと思(おも)ひまする
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
古縄(ふるなは)を蛇(へび)とし駭(おど)せば、おどされたる妓(ぎ)愕(びつくり)して片足(かたあし)泥田(どろた)へふみいれしを衆人(みな/\)辴然(おほわらひ)す。此途(みち)は凡(すべ)て農業(のうげふ)の通路(つうろ)なれば憇(いこ)ふべき茶店(ちやみせ)もなく、半途(はんと)に至(いた)りて古き社(やしろ)に入りてやすらふ。
古縄(ふるなは)を蛇(へび)とし駭(おど)せば、おどされたる妓(ぎ)愕(びつくり)して片足(かたあし)泥田(どろた)へふみいれしを衆人(みな/\)辴然(おほわらひ)す。此途(みち)は凡(すべ)て農業(のうげふ)の通路(つうろ)なれば憇(いこ)ふべき茶店(ちやみせ)もなく、半途(はんと)に至(いた)りて古き社(やしろ)に入りてやすらふ。
周囲形(めぐらしかこむかたち)は川の便利(べんり)にしたがふ。船(ふね)の通路(つうろ)はこれを除(のぞ)きて障(さは)りをなさず、又通船(つうせん)の路印(みちしるし)を建(た)て夜(よる)の為(ため)とす。さてこれにつゞといふ物を簀下(すのした)へならべ、鮏(さけ)の入るべきやうにくゝしおく也。