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巷
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ろじ
ふりがな文庫
“
巷
(
ろじ
)” の例文
そこは
巷
(
ろじ
)
の角になっていて、巷の方にも入口があるので、裏
通路
(
どおり
)
からその巷を入って来た者は、その巷の方の入口から入るのであった。
文妖伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
入って来た
巷
(
ろじ
)
の
工合
(
ぐあい
)
から平坦な土地のように感じていたその感じを裏切られてしまった。そこにはたらたらと降りて往く
坂路
(
さかみち
)
のような路があった。
萌黄色の茎
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「ちっとも存じません、私を追いかけて来るようでしたから、変な
巷
(
ろじ
)
を抜けて逃げてまいりましたわ、何かありまして」
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは己の経験に於いても判ることで、己にしてもそれに似たことは
数多
(
たくさん
)
ある、とにかく、神保町の
巷
(
ろじ
)
の中の家へ往って、聞いてみようと思いだした。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
私は
櫛
(
くし
)
のことも神保町の
巷
(
ろじ
)
の中の家のことも忘れてしまったように、また彼の女の
住居
(
すまい
)
を知ろうと思いだした。私の心には、初めのような興味が湧いて来た。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
二人は鳶口を
揮
(
ふ
)
りながら追っかけた。そして、
数町
(
すうちょう
)
往ったところで、その火の玉は
唯
(
と
)
ある
巷
(
ろじ
)
へ折れて、その突きあたりの家の
櫺子
(
れんじ
)
窓からふわふわと入ってしまった。
遁げて往く人魂
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
天風はその微暗い街を往って、手前が二階建の貸事務所になり、
前
(
さき
)
が印刷屋になった間の
巷
(
ろじ
)
の口へ往った。巷の奥には二つばかりの軒燈が暗い中に
微
(
かすか
)
な明りを見せていた。
文妖伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
野本天風は
巷
(
ろじ
)
の口に気絶しているところを巡廻中の巡査に介抱せられて、その夜の明け方
己
(
じぶん
)
の家へ送ってもらったが、それから腎臓に故障が起って今に寝ているのであった。
文妖伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして、
巷
(
ろじ
)
の曲り角を曲る時、やはり会社の帰りに、昼往って聞く方がうしろめたくないと思った。私は気が
注
(
つ
)
いてそこの軒燈に眼をつけた。それは次に来る時の目標であった。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この
前
(
さき
)
の赤いポストの処を入って、突きあたってから、左へ曲ってくと、寺がありますね、その寺について右に曲ってくと、もう寺の塀が無くなろうとする処に、右に入って往く
巷
(
ろじ
)
があるがね
萌黄色の茎
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
広巳はそこの
巷
(
ろじ
)
へ隠れて往った。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
巷
漢検準1級
部首:⼰
9画
“巷”を含む語句
陋巷
巷路
街巷
巷説
巷談
閭巷
柳巷
巷間
窮巷
巷話
官巷
巷辺
黒珠巷
三橋巷
市井巷間
門巷
窮巷屋後
茉莉凹巷処
華佗巷
黄泥巷
...