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巷
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こうぢ
ふりがな文庫
“
巷
(
こうぢ
)” の例文
引かるゝまゝに、いぶせき
巷
(
こうぢ
)
を縫ひ行きて、遂にとある
敗屋
(
あばらや
)
の前に出でしとき、僕は星根裏の小き窓に
燈
(
ともしび
)
の影の微かなるを指ざしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
水の面に小さい星のやうにうつる
燈火
(
ともしび
)
もある。そのうち冷たい、濁つた、薄緑な「暁」が町の狭い
巷
(
こうぢ
)
を這ひ寄つて来る。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
仮装舞踏に一しよに往つて、一しよにそこから帰る時は、二人の外套の袖と袖とが狭い
巷
(
こうぢ
)
で触れ合つたものである。
彼誰時
(
たそがれどき
)
の空には星の色が褪め掛かる。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
余は彼の
燈火
(
ともしび
)
の海を渡り来て、この狭く薄暗き
巷
(
こうぢ
)
に入り、楼上の
木欄
(
おばしま
)
に干したる敷布、
襦袢
(
はだぎ
)
などまだ取入れぬ人家、頬髭長き
猶太
(
ユダヤ
)
教徒の
翁
(
おきな
)
が
戸前
(
こぜん
)
に
佇
(
たゝず
)
みたる居酒屋、一つの
梯
(
はしご
)
は直ちに
楼
(
たかどの
)
に達し
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
色硝子
(
いろがらす
)
濡
(
ぬ
)
るる
巷
(
こうぢ
)
を
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
舟人の
棹
(
さを
)
を留めたるとき、われは何處に往くべきぞと問ひぬ。舟人は家と家との間を通ずる、橋の側なる
隘
(
せば
)
き
巷
(
こうぢ
)
を指ざし教へつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
第一高等學校寄宿舍の西、
巷
(
こうぢ
)
に面した石垣の新に築かれてゐるのが此寺である。露次を曲つて南向の門に入ると、左に大いなる鑄鐵の
井欄
(
せいらん
)
を見る。井欄の前面に
掌大
(
しやうだい
)
の
凸字
(
とつじ
)
を以て金澤と記してある。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
胸中の苦悶は我を
驅
(
か
)
りて、狹きヱネチアの
巷
(
こうぢ
)
を、縱横に走り過ぎしめしに、ふと立ち留りて頭を
擡
(
もた
)
ぐれば、われは又
前
(
さき
)
の劇場の前に在り。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
巷
漢検準1級
部首:⼰
9画
“巷”を含む語句
陋巷
巷路
街巷
巷説
巷談
閭巷
柳巷
巷間
窮巷
巷話
官巷
巷辺
黒珠巷
三橋巷
市井巷間
門巷
窮巷屋後
茉莉凹巷処
華佗巷
黄泥巷
...