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巷
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まち
ふりがな文庫
“
巷
(
まち
)” の例文
おめえは、夜ひる眠ることもできずに、その男のまぼろしを抱いて、野良犬のように、江戸の
巷
(
まち
)
をほっつきまわっていたのだろう。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
同じ
巷
(
まち
)
に王と同姓の
給諌
(
きゅうかん
)
の職にいる者がいた。王侍御の家とは家の数で十三、四軒隔っていたが、はじめから仲がわるかった。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「いま、つれていってやる——
黙
(
だま
)
って、ついてこい。」と、おじいさんは、
先
(
さき
)
になって
歩
(
ある
)
きました。そして、いろいろの
巷
(
まち
)
を
通
(
とお
)
って、ある
家
(
いえ
)
の
前
(
まえ
)
にきました。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お庄はごちゃごちゃした日暮れの
巷
(
まち
)
で、末の弟を見ていた。弟はもう大分口が利けるようになっていた。うっちゃらかされつけているので、家のなかでも、朝から晩までころころ
独
(
ひと
)
りで遊んでいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『幸福』よ、
巷
(
まち
)
で
出逢
(
であ
)
つた見知らぬ人よ
幸福が遅く来たなら
(新字旧仮名)
/
生田春月
(著)
▼ もっと見る
しきりに頭を掻いている宗七のようすは、装っているのでもなんでもない、こころの底からの
巷
(
まち
)
の遊芸人である。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
正月いっぱいはなんと言っても
遊戯心地
(
あそびごこち
)
、休み半分、年季小僧も飯炊きも、そう早くから叩き起されもしないから、夜が明けたと言っても東の色だけで、江戸の
巷
(
まち
)
まちには
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
何よりも、その甘美な空気を吸って、思い切って
巷
(
まち
)
を出て来た目的を存分に果たしたかった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あたりを打つ雨音の底に、夜のふけるひびきが陰深と鼓膜を衝いて、安兵衛も、黒装束の人数も引き返してくる
気勢
(
けはい
)
はない。雨に眠る
巷
(
まち
)
の、真っ暗なたたずまいである。守人は小手をかざした。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と、不審に感じながらも、喬之助は音松に、遠くから
慇懃
(
いんぎん
)
に挨拶して、魚心堂先生とお絃と三人づれそのまま朝の
巷
(
まち
)
を神田帯屋小路へ帰ってみると……右近はもう帰って来ている、平気な顔だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ほがらかな男の笑いが、深夜の
巷
(
まち
)
にひびいた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
巷
漢検準1級
部首:⼰
9画
“巷”を含む語句
陋巷
巷路
街巷
巷説
巷談
閭巷
柳巷
巷間
窮巷
巷話
官巷
巷辺
黒珠巷
三橋巷
市井巷間
門巷
窮巷屋後
茉莉凹巷処
華佗巷
黄泥巷
...