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悽
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すさ
ふりがな文庫
“
悽
(
すさ
)” の例文
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
、
喚
(
わめ
)
く
聲
(
こえ
)
、
哀
(
あはれ
)
に
救助
(
たすけ
)
を
求
(
もと
)
むる
聲
(
こゑ
)
は、
悽
(
すさ
)
まじき
怒濤
(
どとう
)
の
音
(
おと
)
と
打交
(
うちまじ
)
つて、
地獄
(
ぢごく
)
の
光景
(
ありさま
)
もかくやと
思
(
おも
)
はるゝばかり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
蚊いぶし火鉢に火を取分けて三尺の椽に
持出
(
もちいだ
)
し、拾ひ集めの杉の葉を
冠
(
かぶ
)
せてふうふうと
吹立
(
ふきたつ
)
れば、ふすふすと
烟
(
けぶり
)
たちのぼりて
軒場
(
のきば
)
にのがれる蚊の声
悽
(
すさ
)
まじし
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
下弦
(
げゞん
)
の
月
(
つき
)
は
皓々
(
かう/\
)
と
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りて、
金蛇
(
きんだ
)
走
(
はし
)
らす
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
には、たゞ
本艦
(
ほんかん
)
の
蒸滊機關
(
じようききくわん
)
の
響
(
ひゞき
)
のみぞ
悽
(
すさ
)
まじかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
医者は心安きを招き家は
僕
(
ぼく
)
の太吉といふが名を借りて心まかせの養生、一月と同じ処に住へば見る物残らず嫌やに成りて、次第に病ひのつのる事見る目も恐ろしきほど
悽
(
すさ
)
まじき事あり。
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
數日
(
すうじつ
)
以來
(
いらい
)
の
風
(
かぜ
)
は、
隨分
(
ずいぶん
)
悽
(
すさ
)
まじいものであつたが、
颶風
(
タイフン
)
の
常
(
つね
)
として、
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
は
幾度
(
いくたび
)
も
同
(
おな
)
じ
空
(
そら
)
に
吹
(
ふ
)
き
廻
(
まわ
)
されて
居
(
を
)
つた
樣
(
やう
)
だから、
左迄
(
さまで
)
遠方
(
ゑんぽう
)
へ
飛
(
と
)
ぶ
氣遣
(
きづかひ
)
はない、
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんがへ
)
では
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
身内や痛からん筒袖の処々引さかれて背中も腰も砂まぶれ、止めるにも止めかねて勢ひの
悽
(
すさ
)
まじさに唯おどおどと気を
呑
(
の
)
まれし、筆やの女房走り寄りて抱きおこし、
背中
(
せな
)
をなで砂を払ひ、
堪忍
(
かんにん
)
をし
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
身内
(
みうち
)
や
痛
(
いた
)
からん
筒袖
(
つゝそで
)
の
處々
(
ところ/″\
)
引
(
ひき
)
さかれて
背中
(
せなか
)
も
腰
(
こし
)
も
砂
(
すな
)
まぶれ、
止
(
と
)
めるにも
止
(
と
)
めかねて
勢
(
いきほ
)
ひの
悽
(
すさ
)
まじさに
唯
(
たゞ
)
おど/\と
氣
(
き
)
を
呑
(
の
)
まれし、
筆
(
ふで
)
やの
女房
(
にようぼう
)
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
りて
抱
(
だ
)
きおこし、
背中
(
せなか
)
をなで
砂
(
すな
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
堪忍
(
かんにん
)
をし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
悽
漢検1級
部首:⼼
11画
“悽”を含む語句
悽愴
悽惨
悽然
悽惻
幽悽
悽々
悽惆
悽惶好仇
悽文句
悽気
悽而
悽艶
悽風
昭明焄蒿悽愴
骨立悽愴