“泛子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うき66.7%
あば33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みどりの髪を肩になびけ、瑠璃るりの翼を背にたたみ、泛子うきをみつめる瞳はつぶらかに玉のごとく、ゆさりと垂れた左右の脛は珊瑚さんごを刻んだかとうたがう。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
それでもうはべだけは油断なく泛子うきをみつめるふりをしながら 自分はなぜ釣りが好きにならなければならないのかしら なぞとそれからそれと面白くないことばかり考へてると
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
今でも記念にして家にあるが、それは男鹿の漁船の網の泛子あばであって、海上安全戸賀港何の某とある。その時からして戸賀へはぜひ行ってみたいと考えていたのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そんなものはないかと気を付けているうちに、ふと目に入ったのは一個の泛子あばである。一方に「南秋田郡男鹿戸賀港」の文字が幽かに見え、他の面には「海上安全漁村繁昌云々」と書いてある。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)