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暴
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あば
ふりがな文庫
“
暴
(
あば
)” の例文
怖
(
こわ
)
がって——
暴
(
あば
)
れて——われとわが身をずたずたに引き裂いて——死んでしまうか——どんな悪いことになるかわからないからでさ。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
暴
(
あば
)
れるやつをグイと握って
籠
(
びく
)
に押し込む時は、水に住む魚までがこの雨に濡れて他の時よりも一倍鮮やかで新しいように思われました。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
虫も殺さねえような、あんな
面
(
つら
)
をしているが、いざとなったらどんなに
暴
(
あば
)
れて、そのうえ、物の見事にずらかるかも知れねえのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かんしゃくまぎれに
鉄
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
を
折
(
お
)
り
曲
(
ま
)
げて、
外
(
そと
)
へ
暴
(
あば
)
れ
出
(
だ
)
してやろうと、
何度
(
なんど
)
となく、そのおりの
鉄棒
(
てつぼう
)
に
飛
(
と
)
びついたかしれません。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところが、横丁々々から一斉に吹き出した火は長いなりに
大巾
(
おおはば
)
になって一面火の海となり、諏訪町、駒形一円を黒烟に包んで
暴
(
あば
)
れ狂って来た。
幕末維新懐古談:13 浅草の大火のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
最後に「返済してくれと再三ならず督促したところ、刀を抜いて
威
(
おど
)
し、店へ来てまで
暴
(
あば
)
れる始末だから、やむを得ず御定法に
縋
(
すが
)
って訴え出た」
改訂御定法
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これらは
汚
(
きた
)
ないことのお
嫌
(
きら
)
いな水の神を
怒
(
いか
)
らせて、大いに
暴
(
あば
)
れていただくという趣意らしく、もちろん日本に昔からあったまじないではない。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
後になつて、だん/\に分つて来たことであるが、伯父は子供の時分から、ふた親の手におへないほどの
暴
(
あば
)
れ者であつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「今ネ、御輿の飾りを取って了ったところだ。
鳳凰
(
ほうおう
)
も下した。これからが
祭礼
(
まつり
)
だ。ウンと一つ今年は
暴
(
あば
)
れ廻ってくれるぞ」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
轅
(
ながえ
)
を
担
(
にな
)
っていた前の兵が、とつぜん地へ膝を折って俯ッ伏し、がたっと、地響きやら物音がしたせつなに、輿の内から
暴
(
あば
)
れ出た
皇子
(
みこ
)
宗良の姿が
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今ちょいと
外面
(
おもて
)
へ
汝
(
てめえ
)
が立って出て行った
背影
(
うしろかげ
)
をふと見りゃあ、
暴
(
あば
)
れた
生活
(
くらし
)
をしているたア
誰
(
た
)
が眼にも見えてた
繻子
(
しゅす
)
の帯
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかるに私は、小さい頃から、
無頼
(
ぶらい
)
の性質でございまして、
暴
(
あば
)
れ者などの
頭
(
かしら
)
となって、
仁侠
(
にんきょう
)
の
真似
(
まね
)
など致しますのが、何より好きでございました。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三四郎は手紙を
巻
(
ま
)
き
返
(
かへ
)
して、封に入れて、枕元へ置いた儘
眼
(
め
)
を眠つた。
鼠
(
ねずみ
)
が急に天井で
暴
(
あば
)
れ出したが、やがて静まつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お前は駄々ッ子で、鼻ッ端が強くって、威勢よく
暴
(
あば
)
れるけれど、その実大の弱虫なんだから心配だよ、この頃は内で
姐
(
ねえ
)
さんと
喧嘩
(
けんか
)
はしないか。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
父
(
とゝ
)
さんは——あの金を盜られては、生きてゐる張合もないから、助けると思つて殺してくれと、泣いたり
暴
(
あば
)
れたり」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
似せ天か本天かわからぬやつにまで引つたくられるのだからいゝ面の皮だ。天狗の中で一番
暴
(
あば
)
れたのは田中愿藏だ。
天狗塚
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
今から三十二、三年ばかり前……前の世界大戦中のことですが、太平洋南水域で大
暴
(
あば
)
れをした独逸の駆逐艦がある。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あの弁士がまた
為様
(
しよう
)
のない男で、お金がないというと、
暴
(
あば
)
れまわって姐さんと取っ組み合いの
喧嘩
(
けんか
)
をするそうだわ。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
事の第一はこれなる化物道場のカラクリ
暴
(
あば
)
き出すが肝腎じゃ。それがためには抜いてもならぬ。斬ってもならぬ。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
馬は張り切った勢いで
暴
(
あば
)
れまわった。
暴馬
(
あれうま
)
は
厩
(
うまや
)
に押しこめるよりほかはない。外記は支配
頭
(
がしら
)
の沙汰として、小普請組という厩に追い込まれることになった。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「馬鹿な! そんな何が、ある理屈はねえけれど……どうもこう、見たところこんなおとなし作りの娘を、船乗りの
暴
(
あば
)
れ者の女房にゃ可哀そうのようでね」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
この
喧嘩
(
けんか
)
で私たちは助かったのだ。こうしてまだ盛んに
暴
(
あば
)
れている間に、村の側にある丘の上から別の物音が聞えて来た。——駆けて来る馬の蹄の音である。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
それが完成したので、持って帰ろうとしたところを、例の女が
嗅
(
か
)
ぎつけて、
暴
(
あば
)
れこんだという訳なんでしょう
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
女は小田島がオンフルールでイベットに別れ、夕方帰って一休みして居ると、
殆
(
ほとん
)
ど部屋へ
暴
(
あば
)
れ込んで来た。
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
出立
(
しゅったつ
)
の朝だった。自分が捨てゝ置かれると云うことが分ると、勝彦は狂人のように
暴
(
あば
)
れ出した。毎年一度か二度は、発作的に狂人のようになってしまう彼だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その方がずっと派手で勇ましく、重吉を十倍も強い勇士に仕立てた。田舎小屋の舞台の上で重吉は縦横無尽に
暴
(
あば
)
れ廻り、ただ一人で三十人もの支那兵を
斬
(
き
)
り殺した。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
電車の停留する四辻では噛み付くやうな声で新聞の売子が、「紳士富豪の秘密を
暴
(
あば
)
きました………。」
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
東京に行ってひとつ俺は
暴
(
あば
)
れ放題に暴れるだ。何をやったっても人間一生だ。手ごたえのある処にいって暴れてみないじゃ腹の虫が承知しないからな。けれどもだ。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
初め
剃刀
(
かみそり
)
を
弄
(
いぢ
)
つてゐたのを看護婦が
騙
(
だま
)
して取り上げたんやが、其の次ぎにまた
匕首
(
あひくち
)
を弄つてたのを見付けたんで、取り上げて了ふと、それから
暴
(
あば
)
れ出したんだすな。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
見
(
み
)
かへるに
暴
(
あば
)
れ
者
(
もの
)
の
長吉
(
ちようきち
)
、いま
廓内
(
なか
)
よりの
歸
(
かへ
)
りと
覺
(
おぼ
)
しく、
浴衣
(
ゆかた
)
を
重
(
かさ
)
ねし
唐棧
(
とうざん
)
の
着物
(
きもの
)
に
柿色
(
かきいろ
)
の三
尺
(
じやく
)
を
例
(
いつも
)
の
通
(
とほ
)
り
腰
(
こし
)
の
先
(
さき
)
にして、
黒
(
くろ
)
八の
襟
(
ゑり
)
のかゝつた
新
(
あた
)
らしい
半天
(
はんてん
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然し再び故郷の町へ帰つてステーション前に宿屋を始めてからは家業に忠実であつた。俥夫等がいかに
暴
(
あば
)
れ込んで幾度喧嘩を持ちかけても父はおとなしく下から出てゐた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
しかし
天
(
あめ
)
の
浮橋
(
うきはし
)
の上までおいでになって、そこからお見おろしになりますと、下では勢いの強い神たちが、てんでんに
暴
(
あば
)
れまわって、大さわぎをしているのが見えました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
どっちを追って
好
(
い
)
いのやらと戸惑うた万豊が八方に向って夢中で虚空を
掴
(
つか
)
みながら
暴
(
あば
)
れ出た。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
吉田磯吉の勢力をバックにして、友田喜造一派は、いよいよ、これから
暴
(
あば
)
れる算段をしとる。この前のパナマ丸では失敗し居ったが、この先、どんな
手段
(
てだて
)
で来るかも知れん。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そりゃそうだろう、ひどく重い体をしているくせに、無茶苦茶に
暴
(
あば
)
れまわったんだからな。
負けない少年
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
外ではいよいよ
暴
(
あば
)
れ出した。とうとう娘が
屏風
(
びょうぶ
)
の
向
(
むこ
)
うで起きた。そして(酔ったぐれ、大きらいだ。)とどうやらこっちを見ながらわびるように
誘
(
さそ
)
うようになまめかしく
呟
(
つぶや
)
いた。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これからもっと
暴
(
あば
)
れまわって、町や村のひとたちを恐れさせてやるんだと話していました
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「弁慶様、大きいぞ、刀だけじゃ物たりねえ、七つ道具を
担
(
かつ
)
ぎ出してウンと
暴
(
あば
)
れろ!」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だが、荒々しいものや、
暴
(
あば
)
れ狂うものは、
日毎
(
ひごと
)
その家の
塀
(
へい
)
の外まで押し寄せていた。
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ねえ、ピエールさん、あたしがこんな
暴
(
あば
)
れかたをしたって、
嫉妬
(
ジャルウ
)
だなんて思ってもらっては困るぜ。そんなんじゃないんだ。お前のことなんぞ、馬の尻尾だとも思っちゃいないんだ。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
奪われた形かな。支那へでも行って
暴
(
あば
)
れたい気もする。清さんもそれで行ったのかな
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
私はコップに水
酌
(
く
)
んで来て、えらい
暴
(
あば
)
れてて飲まされしませんのんを無理におさえつけながら口移しに飲ましたげると、おいしそうに
喉
(
のど
)
をぐいぐいいわしながら、飲んでしまうとまた
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
角
(
つの
)
のあるもの、
無
(
な
)
いもの、
大
(
おお
)
きなもの、
小
(
ちい
)
さなもの、
眠
(
ねむ
)
っているもの、
暴
(
あば
)
れているもの……。
初
(
はじ
)
めてそんな
無気味
(
ぶきみ
)
な
光景
(
ありさま
)
に
接
(
せつ
)
した
私
(
わたくし
)
は、
覚
(
おぼ
)
えずびっくりして
眼
(
め
)
を
開
(
あ
)
けて
叫
(
さけ
)
びました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
画
(
ゑ
)
も少しは
遣
(
や
)
ると
云
(
い
)
つたやうな
多芸
(
たげい
)
の
才子
(
さいし
)
で、
学課
(
がくくわ
)
も
中以上
(
ちういじやう
)
の
成績
(
せいせき
)
であつたのは、
校中
(
かうちう
)
評判
(
ひやうばん
)
の少年でした、
私
(
わたし
)
は十四五の
時分
(
じぶん
)
はなか/\の
暴
(
あば
)
れ者で、
課業
(
くわげふ
)
の時間を
迯
(
に
)
げては
運動場
(
うんどうば
)
へ出て
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
筆で
唇
(
くちびる
)
を真っ赤に塗った佝僂の子がそこの机のところに立ち、その子がお
守
(
も
)
りをしなきゃならない小さな妹たちは
暴
(
あば
)
れまわって、部屋の
隅々
(
すみずみ
)
までよごしているというような有様なんです。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
『三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
とは
大變
(
たいへん
)
面白
(
おもしろ
)
いのね、
大方
(
おほかた
)
これが五
月
(
ぐわつ
)
なら
狂人
(
きちがひ
)
になつて
暴
(
あば
)
れ
廻
(
まは
)
るだらう——
假令
(
たとひ
)
三
月
(
ぐわつ
)
程
(
ほど
)
ではなくとも』
愛
(
あい
)
ちやんは
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
上
(
うへ
)
を
見
(
み
)
ると、
復
(
ま
)
た
其猫
(
そのねこ
)
が
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
の
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お蔦 ちょいとちょいと、弥あさん、又
暴
(
あば
)
れるのかい、親分に叱られるよ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「へべれけになって
暴
(
あば
)
れられて
堪
(
たま
)
るもんですか、子供たちをどうします」
セメント樽の中の手紙
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
しかし伯父の前に引据えて
跪
(
ひざまず
)
かせようとされた時、彼は
暴
(
あば
)
れだし、母をはねのけ、家の外に逃げ出した。息がつけなくなってからようやく野の中に立止った。遠くに自分を呼ぶ声が聞えていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
何故なら、あの女が
暴
(
あば
)
れ出すと私の祕密をどうしても洩らすのですから、その上、あの女は幾日か——時には何週間も——
正氣
(
しやうき
)
に返るときがあつて、その時には立てつゞけに私を罵るのですから。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
“暴”の意味
《名詞》
(ボウ) 荒々しいこと。乱暴であること。また、そのさま。
(ボウ) 道理にはずれていること。不法であること。また、そのさま。
《形容動詞》
(あかしま、あからしま) にわかなさま。急なさま。あからさま。
(出典:Wiktionary)
暴
常用漢字
小5
部首:⽇
15画
“暴”を含む語句
暴露
暴風
暴風雨
自暴自棄
粗暴
暴雨
兇暴
大暴風
暴虐
大暴風雨
狂暴
乱暴狼藉
暴騰
暴動
暴出
自暴
乱暴
暴戻
亂暴
暴々
...