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あば
ふりがな文庫
“
発
(
あば
)” の例文
旧字:
發
韓はさらに近隣の者を大勢駆り集めて、弓矢その他の
得物
(
えもの
)
をたずさえてかの墓を
発
(
あば
)
かせると、墓の奥から五、六匹の犬があらわれた。
中国怪奇小説集:06 宣室志(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
又お前の信仰の虚偽を
発
(
あば
)
かれようとすると「主よ主よというもの
悉
(
ことごと
)
く天国に入るにあらず、吾が天に
在
(
ましま
)
す神の旨に
遵
(
よ
)
るもののみなり」
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
で、我々がその財宝を手に入れようと思うなら、是非とも地下の世界へ行き、その活き剣の神殿なるものを
発
(
あば
)
かなければなりません。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
犯罪発見後数時間を出でざる本日午後三時に至り、その裏面の秘密を
尽
(
ことごと
)
く
発
(
あば
)
きつくせる事実を、本社は遺憾なく探知するを得たり。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それを
庇
(
かば
)
ったのは、ここに居られる奥方様と、お女中のお菊さん。万一自害と知れては、父上様の非を
発
(
あば
)
くことになりましょう。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
仔細
(
しさい
)
に観察すると、こいつ
禁錮
(
きんこ
)
するほどのことはのうても、説諭位はして差支えないことを遣っとるから、
掴
(
つか
)
み出して警察で
発
(
あば
)
かすわい。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の是から書き誌す事柄は他人の罪悪を
発
(
あば
)
かんとする密告書でも無ければ、閣下の執政に対する不満の陳情でも御座いません。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
俺はそれを見たとき、胸が
衝
(
つ
)
かれるやうな気がした。墓場を
発
(
あば
)
いて屍体を
嗜
(
たしな
)
む変質者のやうな惨忍なよろこびを俺は味はつた。
桜の樹の下には
(新字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
それ故にこそ今も諸国の古塚を
発
(
あば
)
くと、往々にして無名の
八掬脛
(
やつかはぎ
)
や
長髄彦
(
ながすねひこ
)
の骨が現れ、もしくは現れたと語り伝えて尊信しているのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
水の面にたゞよふ彼の影像は、水羊歯や蘆のたぐひを啖ひながらも、
発
(
あば
)
かれた地上に在るものの、匈々たる交感の裡に織りこまれてゆくのか。
逸見猶吉詩集
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
此の美人を昔のお紺婆の雇人古山お酉とやら云う仲働きとの兼ねての疑いを
稠人
(
ちょうじん
)
満座の中で
発
(
あば
)
いて恥を掻せる積りと見える
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「その傷を
発
(
あば
)
いたら口があくはずじゃ、それがいやならば、ただ
一言
(
ひとこと
)
、太兵衛女房の
在所
(
ありか
)
を知らせてくれ、それだけでよい」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何にも知らぬ妻の留守の間に探偵に依頼して妻の秘密を
発
(
あば
)
こうとすることは、私の方こそ獣よりもまだ劣った品性の持主のような気持がして
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
子嬰を殺し義帝を追ひ、咸陽を屠つてそれでも飽き足らず、阿房宮も焼いた、始皇帝の墓も
発
(
あば
)
いた。さうして自ら立つて彭城の春を
縦
(
ほしいま
)
まにした。
悲しき項羽
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
悪少年が庚娘の葬具が多くてきれいであったのを知って、塚を
発
(
あば
)
いて棺を破り、中を
掻
(
か
)
きまわそうとして、庚娘の活きているのを見て驚きあった。
庚娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「貴い犠牲か? だが世間の奴等はそうは云わないからな。
恰
(
まる
)
で僕達が愉快で人の裏面を
発
(
あば
)
くように思っているからな」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
勿論鎮子をその調査にまで導いていったものは、いつぞや法水が彼女の心像を
発
(
あば
)
いて、算哲の心臓異変を知ることの出来た心理分析にあったのだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そのものの持っていた「奥羽皆敵」の密書が
発
(
あば
)
かれたのが四月十九日であった。五月三日には、それならば——と、
臍
(
ほぞ
)
を固めて成り立った奥羽
聯盟
(
れんめい
)
。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
ただ、わたくしが墓を
発
(
あば
)
きました女、あれはわたくしの愛人だったのです。わたくしはその女を愛しておりました。
墓
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
兄は、逝ける友、漆戸のために、妹の罪を
発
(
あば
)
き、既にこの手紙がお前の手へ届いた時、お前のもとへは、同行を求むる刑事達が赴く手筈になっている。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
彼奴
(
あいつ
)
は今丁度
食
(
くら
)
い酔って寝て居やアがる
中
(
うち
)
に
窃
(
そっ
)
と持って来て中を
発
(
あば
)
いて
遣
(
や
)
ろうじゃアねえか、後で気が附いて騒いだってもと/\彼奴の物でねえから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうしてもつと堂々と文子の美点を強調し、文子の美点に比べたなら、
羂
(
わな
)
にもかからぬ老獪な狐のやうな卓一の心を
発
(
あば
)
いてやらなかつたのであらうか。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
仕方がないから、僕は、表面上、Kの私行を
発
(
あば
)
いたと云ふ罪を
甘受
(
かんじゆ
)
して、Kに謝罪したがね。まるで、
寃罪
(
えんざい
)
に伏した事になるのだから、僕もいい迷惑さ。
創作
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お清と父との間柄は何一つ
発
(
あば
)
かれなかった。それを知ってるのは、当事者以外では恐らく私一人だけだったろう。
黒点:――或る青年の「回想記」の一節――
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いかなる
怪
(
け
)
しからぬ行為あるものも、これを
発
(
あば
)
いて反省を
促
(
うなが
)
さねば、ますますその暴行を
逞
(
たくま
)
しゅうしやすくなる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私に取っては浅はかな彼女の嘘を
発
(
あば
)
くよりか、寧ろ彼女を得意がらせ、そうして彼女のよろこぶ顔を見てやった方が、自分もどんなにうれしいか知れない。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
府庁でも南の家の再三の怪事を見て、南の悪行の報いであるとし、
冢
(
つか
)
を
発
(
あば
)
くの罪に問うて南を死刑に処した。
竇氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
わしはクラリモンドの埋められた処を知つてゐるし、それにはあの女の
屍
(
しかばね
)
を
発
(
あば
)
いて、お前の恋する女がどのやうな憐な姿になつてゐるかを見なければならぬ。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
最早
(
もう
)
、虚無党の御世話になる必要は無いよ、クルップの男色を
発
(
あば
)
いてやれば、
忽
(
たちま
)
ち
頓死
(
とんし
)
するし、伊太利大蔵大臣の
収賄
(
しうわい
)
を
素破抜
(
すつぱぬ
)
いてやれば
直
(
ただち
)
に自殺するしサ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
中には、進んで父親の機嫌に取り入るため、他人の非を
発
(
あば
)
くものもあった。どこそこの家の息子は賭博をするとか、どこそこの家の娘は媾曳をしているとか。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
世間多くの人で美味いものを食いたいと言うのを
発
(
あば
)
いてみると、真にたわいないものばかりを指している。
料理一夕話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
博物学は自然を研究する学科であるが、その目的はけっして自然の美を探ることでもなく、また醜を
発
(
あば
)
くことでもない、ただ自然のありのままを知ることである。
いわゆる自然の美と自然の愛
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
「直ぐ流血船へ踏込むんです、謎は解けました。憎むべき殺人鬼、海坊主の仮面をひん剥いてみせます、流血船のトリックを
発
(
あば
)
いてやるんです。急いで下さい!」
流血船西へ行く
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
近所の者千余人に弓矢を帯びしめ古墓を
発
(
あば
)
くと、毛色皆異なる犬数疋出たので殺し尽して帰ったとある。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
此度
(
このたび
)
の
企
(
くはだて
)
は
残賊
(
ざんぞく
)
を
誅
(
ちゆう
)
して
禍害
(
くわがい
)
を
絶
(
た
)
つと云ふ事と、
私蓄
(
しちく
)
を
発
(
あば
)
いて
陥溺
(
かんでき
)
を救ふと云ふ事との二つを
志
(
こゝろざ
)
した者である。
然
(
しか
)
るに
彼
(
かれ
)
は
全
(
まつた
)
く敗れ、
此
(
これ
)
は成るに
垂
(
なん/\
)
として
挫
(
くじ
)
けた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
マンには、その親方の姿が、鬼火に照らされた墓場で、棺から
発
(
あば
)
きだされた屍骸のように、見えた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
発
(
あば
)
く者なり。人の子たる者は己れを有することなかれ。人の臣たる者は己れを有することなかれ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
この笠松はその昔「
葦
(
あし
)
の
洲
(
す
)
」と
称
(
とな
)
えた
蘆荻
(
ろてき
)
の三角洲で、氾濫する大洪水の
度
(
たび
)
ごとにひたった。この
狐狸
(
こり
)
の
巣窟
(
そうくつ
)
を
発
(
あば
)
いて初めて
拓
(
ひら
)
いたのが
三
(
み
)
ツ
家
(
や
)
の漂流民だと伝えている。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
終生一主義を貫徹して死せり、彼が世を去るや彼の政府はただちに転覆され、彼の
屍
(
かばね
)
は
発
(
あば
)
かれ、彼の名は
賤
(
いやし
)
められ、彼の事業は一つとして跡を
留
(
とど
)
めざるがごときに至れり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
それでも戦争中は害多くして益が少いからこれを
発
(
あば
)
かずにいた。これも寧ろ功に数えねばならぬ。また三国干渉のときでも、当路者が気付くよりも新聞社の方が耳が早かった。
渡良瀬川
(新字新仮名)
/
大鹿卓
(著)
発
(
あば
)
いて見れば何でもない事です。一つの幻術『目くらまし』に過ぎないのです。しかしこれを考えついた犯人の惨憺たる苦心と執念には、何か人をゾッとさせるものがあります。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鴎外漁史の「舞姫」が国民之友新年附録中に
就
(
つい
)
て第一の傑作たるは世人の許す所なり。
之
(
これ
)
が賛評をなしたるもの少しとせず。
然
(
しか
)
れども
未
(
いま
)
だ
其
(
その
)
瑕瑾
(
かきん
)
を
発
(
あば
)
きたるものは之れ無きが
如
(
ごと
)
し。
舞姫
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
昔
高帝
(
こうてい
)
升遐
(
しょうか
)
したもう時、
遺篋
(
いきょう
)
あり、大難に臨まば
発
(
あば
)
くべしと
宣
(
のたま
)
いぬ。謹んで
奉先殿
(
ほうせんでん
)
の左に収め奉れりと。
羣臣
(
ぐんしん
)
口々に、
疾
(
と
)
く
出
(
いだ
)
すべしという。
宦者
(
かんじゃ
)
忽
(
たちまち
)
にして一の
紅
(
くれない
)
なる
篋
(
かたみ
)
を
舁
(
か
)
き
来
(
きた
)
りぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
而
(
しこう
)
して洪大尉が
伏魔殿
(
ふくまでん
)
を
発
(
あば
)
きて、一百八の妖星を走らしめたる如く、ただこの中より無数の活劇、及び活劇をなせし大立者を出したる
所以
(
ゆえん
)
のもの、
豈
(
あ
)
にその由る所なくして
然
(
しか
)
らんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
その青年探偵帆村荘六と名乗る男は、痛快に僕の正体を
発
(
あば
)
いてしまったのだった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
霧原警部は、経験によって、若し訊問の当初に「知らぬ」といったら、何度たずねたとて、言うものでないと知って居たから、その血液の秘密は、どうしてもこちらで
発
(
あば
)
かなければならない。
呪われの家
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
立派な夫人として死んで行った人の暗い半面を
発
(
あば
)
いてみたところで仕方がありませんから、K夫人の事はその儘にしておいて、未亡人倶楽部に出入する人達をちょっと調べてみましたところが
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
誰かゞ自分の過去を知つて居て欠点を
発
(
あば
)
きはしないかと頗る恐れて居た。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
かねてかかる事のあるべきを期していたものとみえ、アメシス王の墓所の所在は
巧
(
たく
)
みに
晦
(
くら
)
まされていた。波斯軍の将士はサイス市内外の多数の墓地を一つ一つ
発
(
あば
)
いて
検
(
あらた
)
めて歩かねばならなかった。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
発
(
あば
)
く
豈
(
あに
)
初心ならん 品川に
梟示
(
きようじ
)
す
竜頭
(
りゆうとう
)
の
冑
(
かぶと
)
想見る当年怨毒の深きを
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
“発”の解説
発(發、はつ)は、夏朝の第16代帝。『史記』などにあるように、一般には帝桀の父は帝発とされているが、一説には帝桀の兄という。
即位後、諸々の夷が発の門前に来て、舞を披露したという。
第16代
(出典:Wikipedia)
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
“発”を含む語句
発見
出発
発生
発端
発足
発条
徴発
発覚
発句
発奮
発散
発程
発射
発条仕掛
発作
発矢
発止
発揮
発願
新発意
...