あば)” の例文
そいつを利用した烏組だもの、二つの出入り口へ固めを付け、人を配ってあばかれないように、仕組んでいるのは当然じゃアないか。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
女は、見る見るうちに、喉の傷口をあばかれ、胸から腹部へと、次々にあばかれて行くのでした。
島原心中 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かえって主君きみの非をあばき、ご寵愛ちょうあい著しい鳰鳥におどり殿に無礼の振舞い致す段臣下の身として許し難し、よって速かに罪を謝し謹しんで主命を奉ずればよし
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それの秘密をあばいた者は、道教でいうところの寿福栄華を、一度に掴むことが出来るのだから、山尼のおさ高蔵尼こうぞうにが、欲しく思ったのは当然といえよう
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
十兵衛の娘お種を助け、長庵の悪事をあばくという、義血侠血の物語はなしもあるが、後日を待って語ることとしよう。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「田沼様の罪悪おあばき遊ばすも、結構至極とは存じまするが、それには一段と確実なる証拠を……」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「方々!」とこれは金切り声、「秘密の道場をあばいた彼ら、遁がしてはならぬ、討って取りなされ! 一手は裏門へお廻わりなされ! 先廻わりをなされ! 先廻わりを!」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火事は大事に至らずして消し止めることが出来たけれども飯場はついにあばかれた。鎌髭の勢が引っかえして来た時には、もう飯場には女の姿はただの一人も見られなかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わけても道了塚での無慈悲の所業しわざ! それを俺にあばかれるかとおそれ、だまし討ちから嬲り殺しにかけおったな! ……可哀そうなは伊丹東十郎! あいつの悲鳴、今も道了塚へ行かば
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我らにとっては大旦那よ。主人の秘密など、あばかぬこと剖かぬこと
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「秘密はあばかない! 裏切りはしない! 助けてくれーッ」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「で、切ったのだ! あばいたからの」
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)