“破障子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やぶれしょうじ54.5%
やれしょうじ27.3%
やぶれしやうじ9.1%
やれしやうじ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いま、きみは結構な町の畳からと言ったけれど、母親の寝ていた奥の四畳は破障子やぶれしょうじの穴だらけだ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
横ざまに、ステッキで、たたき払った。が、人気勢ひとげはいのする破障子やれしょうじを、及腰およびごし差覗さしのぞくと、目よりも先に鼻をった、このふきぬけの戸障子にも似ず、したたかな酒の香である。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気候はいやにはだ寒くなつて、折々をり/\勝手口かつてぐち破障子やぶれしやうじから座敷ざしきの中まで吹き込んで来る風が、薄暗うすぐらつるしランプの火をば吹き消しさうにゆすると、度々たび/\、黒い油煙ゆえんがホヤをくもらして
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
なにより、いやな、可恐おそろしかみなりつたのです。たゞさへれようとする心臟しんぞうに、動悸どうきは、破障子やれしやうじあふるやうで、ふるへるみづの、みづよりさき無數むすうが、くちはな飛込とびこんだのであります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)