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破
>
やぶ
ふりがな文庫
“
破
(
やぶ
)” の例文
高窓
(
たかまど
)
の
障子
(
しょうじ
)
の
破
(
やぶ
)
れ
穴
(
あな
)
に、
風
(
かぜ
)
があたると、ブー、ブーといって、
鳴
(
な
)
りました。もう
冬
(
ふゆ
)
が
近
(
ちか
)
づいていたので、いつも
空
(
そら
)
は
暗
(
くら
)
かったのです。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子
(
し
)
のたまわくだ。なにしてやがるかと思って、
破
(
やぶ
)
けた窓の障子から
覗
(
のぞ
)
くとね、ポンポチ米を
徳久利
(
とっくり
)
で
舂
(
つ
)
きながら勉強してやがるんだ。
旧聞日本橋:11 朝散太夫の末裔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
内儀
(
かみ
)
さんは
什麽
(
どんな
)
にしても
救
(
すく
)
つて
遣
(
や
)
りたいと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したら
其處
(
そこ
)
に
障害
(
しやうがい
)
が
起
(
おこ
)
れば
却
(
かへつ
)
てそれを
破
(
やぶ
)
らうと
種々
(
しゆじゆ
)
に
工夫
(
くふう
)
も
凝
(
こら
)
して
見
(
み
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
起
(
き
)
の
人
(
ひと
)
と
爲
(
な
)
りや
(六二)
猜忍
(
さいにん
)
の
人也
(
ひとなり
)
。
其少
(
そのわか
)
き
時
(
とき
)
、
家
(
いへ
)
、千
金
(
きん
)
を
累
(
かさ
)
ねしが、
(六三)
游仕
(
いうし
)
遂
(
と
)
げず、
遂
(
つひ
)
に
其家
(
そのいへ
)
を
破
(
やぶ
)
る。
(六四)
郷黨
(
きやうたう
)
之
(
これ
)
を
笑
(
わら
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
天井は思切ツて
煤
(
すゝ
)
けてゐて、而も低い。
壁
(
かべ
)
は、古い
粘土色
(
へなつちいろ
)
の紙を張りつめてあツたが、
處々
(
ところ/\
)
破
(
やぶ
)
れて
壁土
(
かべ
)
が
露
(
はみ
)
出て、鼠の穴も出來ている。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
山
(
やま
)
を
崩
(
くづ
)
して、
其
(
そ
)
の
峯
(
みね
)
を
余
(
あま
)
した
状
(
さま
)
に、
昔
(
むかし
)
の
城趾
(
しろあと
)
の
天守
(
てんしゆ
)
だけ
残
(
のこ
)
つたのが、
翼
(
つばさ
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
鷲
(
わし
)
が
中空
(
なかぞら
)
に
翔
(
かけ
)
るか、と
雲
(
くも
)
を
破
(
やぶ
)
つて
胸毛
(
むなげ
)
が
白
(
しろ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「なんでもこの
門
(
もん
)
を
破
(
やぶ
)
れという
仰
(
おお
)
せをうけたわけでもないのだから、そんならんぼう
者
(
もの
)
のいない
外
(
ほか
)
の
門
(
もん
)
に
向
(
む
)
かうことにしよう。」
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そしてしばしば、ゴットフリートがどう
思
(
おも
)
うだろうかと考えると、はずかしくなって、
書
(
か
)
いたものを
破
(
やぶ
)
いてしまうこともあった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この
破
(
やぶ
)
りがたいしずんだ重い沈黙が、
初
(
はじ
)
め水があふれ出したとき聞いたおそろしいさけび声よりも、もっと心持ちが悪かった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
竹苑椒房の音に變り、
破
(
やぶ
)
れ
頽
(
くづ
)
れたる僧庵に如何なる夜をや過し給へる、露深き枕邊に夕の夢を殘し置きて起出で給へる維盛卿。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
シューラは
破
(
やぶ
)
れたシャツを
着
(
き
)
て、
学校
(
がっこう
)
へ
出
(
で
)
かけなければならなくなる——そうしたら、シャツは
晩
(
ばん
)
までには、どんなになるかわかりゃしない!
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
切
(
き
)
る
夜風
(
よかぜ
)
に
破
(
やぶ
)
れ
屏風
(
びやうぶ
)
の
内
(
うち
)
心配
(
しんぱい
)
になりて
絞
(
しぼ
)
つて
歸
(
かへ
)
るから
車財布
(
ぐるまざいふ
)
のものゝ
少
(
すくな
)
き
程
(
ほど
)
苦勞
(
くらう
)
のたかの
多
(
おほ
)
くなりてまたぐ
我家
(
わがや
)
の
閾
(
しきゐ
)
の
高
(
たか
)
さ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
斯
(
こ
)
んな
紙
(
かみ
)
ぢや、
又
(
また
)
すぐ
破
(
やぶ
)
けますね」と
云
(
い
)
ひながら、
小六
(
ころく
)
は
卷
(
ま
)
いた
小口
(
こぐち
)
を一
尺
(
しやく
)
ほど
日
(
ひ
)
に
透
(
す
)
かして、二三
度
(
ど
)
力任
(
ちからまか
)
せに
鳴
(
な
)
らした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もちろん本当です。
国
(
くに
)
破
(
やぶ
)
れて洋酒ありです。
尤
(
もっと
)
も早いところストックにして置いたのですがね……しかし
博士
(
せんせい
)
、毒瓦斯の方のことですが……」
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
口
(
くち
)
でそういわれても、
勝手
(
かって
)
を
知
(
し
)
らない
暗
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
では、
手探
(
てさぐ
)
りも
容易
(
ようい
)
でなく、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は
破
(
やぶ
)
れ
畳
(
たたみ
)
の
上
(
うえ
)
を、
小気味悪
(
こきみわる
)
く
這
(
は
)
い
廻
(
まわ
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
うっかり
開
(
あ
)
けると、
破
(
やぶ
)
れそうにまだ
濡
(
ぬ
)
れている
墨色
(
すみいろ
)
で、それは少年の
筆
(
ふで
)
らしく、まことに
稚拙
(
ちせつ
)
な走り
書
(
がき
)
。読みくだしてみると、その
文言
(
もんごん
)
は——。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
掛奉つり候儀恐れ入り奉つり候全く九助
妻
(
さい
)
舅
(
しうと
)
藤八とも
不埓
(
ふらち
)
至極
(
しごく
)
成者共なりと申ければ大岡殿成程其方が申如く一旦
裁許
(
さいきよ
)
濟
(
すみ
)
たるを
破
(
やぶ
)
らんと爲事
恐
(
おそれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
冬時
(
とうじ
)
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふには、
豫
(
あらかじ
)
め
身體
(
しんたい
)
を
入
(
い
)
るゝに
足
(
た
)
る
孔穴
(
こうけつ
)
を
氷
(
こほり
)
を
破
(
やぶ
)
りて
設
(
まう
)
け
置
(
お
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
此
(
この
)
孔穴
(
こうけつ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
して
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
これはもし行者にことばをかけ、行者あやまつてことばをいだせば行
破
(
やぶ
)
れたるゆゑ、はじめより
行
(
ぎやう
)
をしなほすゆゑ也。又
无言
(
むごん
)
の行はせざるもあり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さうして
新
(
あたら
)
しいとはいひながら、
柔
(
やは
)
らかで
穩
(
おだ
)
やかなよい
氣持
(
きも
)
ちを
破
(
やぶ
)
らないで、
上品
(
じようひん
)
さを
持
(
も
)
ちながら
歌
(
うた
)
はれてあるのが、この
歌
(
うた
)
などのよいところです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
即
(
すなは
)
ちこの
外輪山
(
がいりんざん
)
の
破
(
やぶ
)
れ
目
(
め
)
が
火口瀬
(
かこうせ
)
である。
箱根山
(
はこねやま
)
でこれに
相當
(
そうとう
)
する
場所
(
ばしよ
)
は
湯本
(
ゆもと
)
の
早川
(
はやかは
)
と
須雲川
(
すぐもがは
)
の
相會
(
あひかい
)
する
所
(
ところ
)
である。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
瓦屋根
(
かはらやね
)
の高く
聳
(
そび
)
えて
居
(
ゐ
)
るのは
古寺
(
ふるでら
)
であつた。
古寺
(
ふるでら
)
は
大概
(
たいがい
)
荒れ果てゝ、
破
(
やぶ
)
れた
塀
(
へい
)
から
裏手
(
うらて
)
の
乱塔場
(
らんたふば
)
がすつかり見える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
……
去
(
い
)
ね、
相談敵手
(
さうだんあひて
)
にした
其方
(
そち
)
ぢゃが、
其方
(
そち
)
と
予
(
わし
)
とは
今
(
いま
)
からは
心
(
こゝろ
)
は
別々
(
べつ/\
)
。……
御坊
(
ごばう
)
の
許
(
ところ
)
へ
往
(
い
)
て
救
(
すく
)
ひを
乞
(
こ
)
はう。
事
(
こと
)
が
皆
(
みな
)
破
(
やぶ
)
れても、
死
(
し
)
ぬる
力
(
ちから
)
は
此身
(
このみ
)
に
有
(
あ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
其
(
その
)
音
(
おと
)
が
寂寞
(
せきばく
)
を
破
(
やぶ
)
つてざわ/\と
鳴
(
な
)
ると、
閭
(
りよ
)
は
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
根
(
ね
)
を
締
(
し
)
め
附
(
つ
)
けられるやうに
感
(
かん
)
じて、
全身
(
ぜんしん
)
の
肌
(
はだ
)
に
粟
(
あは
)
を
生
(
しやう
)
じた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
三の強藩に敵するの勇気なく、勝敗をも
試
(
こころ
)
みずして
降参
(
こうさん
)
したるものなれば、
三河武士
(
みかわぶし
)
の精神に
背
(
そむ
)
くのみならず、我日本国民に
固有
(
こゆう
)
する
瘠我慢
(
やせがまん
)
の大主義を
破
(
やぶ
)
り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
之
(
これ
)
を
執
(
とつ
)
てウームと
力任
(
ちからまか
)
せに
破
(
やぶ
)
るとザラ/\/\と
出
(
で
)
たのが
古金
(
こきん
)
で
彼此
(
かれこれ
)
五六十
両
(
りやう
)
もあらうかと
思
(
おも
)
はれる
程
(
ほど
)
、金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
最初
(
さいしょ
)
の
恋
(
こい
)
に
破
(
やぶ
)
れた
私
(
わたくし
)
には、もともと
他所
(
よそ
)
へ
縁
(
えん
)
づく
気持
(
きもち
)
などは
少
(
すこ
)
しもなかったのでございましたが、ただ
老
(
お
)
いた
両親
(
りょうしん
)
に
苦労
(
くろう
)
をかけては
済
(
す
)
まないと
思
(
おも
)
ったばかりに
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
破
(
やぶ
)
らぬようにしずかにひらくと、疑いもなく地図である、それは山田がとくに
念入
(
ねんい
)
りに書いたものらしい。四人はひと目それを見るやいなや、一度に声をあげた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
誠愛誠實を無益のものと思ひ、無暗に人を疑ひ、矢鱈に天を恨み、その
極
(
きよく
)
遂
(
つい
)
に
精神
(
せいしん
)
の
和
(
やわらぎ
)
を
破
(
やぶ
)
りて
行
(
おこな
)
ふべからざる
事
(
こと
)
を
行
(
おこな
)
ひ
自
(
みづか
)
ら
知
(
し
)
らざる
程
(
ほど
)
の
惡事
(
あくじ
)
を
爲遂
(
しと
)
ぐる
事
(
こと
)
あらば
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
保胤は遂に寛和二年を以て、自分が折角こしらえた繭を
咬
(
かみ
)
破
(
やぶ
)
って出て、落髪出家の身となって
終
(
しま
)
った。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
皮
(
かは
)
が
破
(
やぶ
)
れ、
肉
(
にく
)
が
爛
(
たゞ
)
れて、
膿汁
(
うみしる
)
のやうなものが、どろ/\してゐた。
内臟
(
ないざう
)
はまるで
松魚
(
かつを
)
の
酒盜
(
しほから
)
の
如
(
ごと
)
く、
掻
(
か
)
き
廻
(
まは
)
されて、ぽかんと
開
(
あ
)
いた
脇腹
(
わきばら
)
の
創口
(
きずぐち
)
から
流
(
なが
)
れ
出
(
だ
)
してゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ある建具は
破
(
やぶ
)
れた此の野中の一つ家と云った様な小さな
草葺
(
くさぶき
)
を目がけて日暮れ
方
(
がた
)
から
鉄桶
(
てっとう
)
の如く
包囲
(
ほうい
)
しつゝずうと
押寄
(
おしよ
)
せて来る武蔵野の
寒
(
さむさ
)
を
骨身
(
ほねみ
)
にしみて
味
(
あじ
)
わった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
腰
(
こし
)
をだに
掛
(
か
)
くる所もなく、唯両脚を以て
躰
(
たい
)
を
支
(
ささ
)
へて
蹲踞
(
そんきよ
)
するのみ、躰上に
毛氈
(
もうせん
)
と油紙とを
被
(
かふ
)
れども
何等
(
なんら
)
の
効
(
こう
)
もなし、人夫に
至
(
いた
)
りては
饅頭笠
(
まんじうがさ
)
既
(
すで
)
に初日の
温泉塲
(
をんせんば
)
に於て
破
(
やぶ
)
れ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それだから又帽子を取られたんだあね。それだから蝙蝠傘を
破
(
やぶ
)
かれても知らないでいるんだあね。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それにねえ、若し自分より前の人が自分より達者に同じ物を描いたのでも見るときっと
破
(
やぶ
)
くか見えない所にしまうかしなければ安心が出来ない様な事が起こって来るもの。
千世子(三)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ケンプ
博士
(
はくし
)
は、まだ
破
(
やぶ
)
られていない三つ目の
窓
(
まど
)
に目をはしらせると、ピストルをぶっ
放
(
ぱな
)
した。ガラスはたまに
撃
(
う
)
ちぬかれてひび割れ、三
角状
(
かくじょう
)
の
破片
(
はへん
)
となって内側へ落ちた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そういう片言で
破
(
やぶ
)
れ
靴
(
ぐつ
)
の底でも繕うがいい。しかもそのばかな小僧っ児どもが政治上の意見を持ってるというのか。奴らが政治に口を出すことは厳重に禁じなければいかん。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
けれども、もうだいぶ
時間
(
じかん
)
が
経
(
た
)
っているのに
卵
(
たまご
)
はいっこう
殻
(
から
)
の
破
(
やぶ
)
れる
気配
(
けはい
)
もありませんし、
訪
(
たず
)
ねてくれる
仲間
(
なかま
)
もあまりないので、この
家鴨
(
あひる
)
は、そろそろ
退屈
(
たいくつ
)
しかけて
来
(
き
)
ました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
破
(
やぶ
)
けた弁護士服は半ば脱げかかったまま、また、きちんとしていないその
仮髪
(
かつら
)
はちょうどさっき脱いだ後に彼の頭の上に偶然載っかったようにかぶり、両手はポケットに入れ
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
この時にお妃が
椋
(
むく
)
の木の實と赤土とを夫君に與えましたから、その木の實を
咋
(
く
)
い
破
(
やぶ
)
り赤土を口に含んで吐き出されると、その大神は呉公を
咋
(
く
)
い破つて吐き出すとお思いになつて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
左樣
(
さう
)
覺
(
さと
)
られたからは
百年目
(
ひやくねんめ
)
、
若
(
も
)
し
此
(
この
)
一件
(
いつけん
)
を
他人
(
たにん
)
に
洩
(
もら
)
すものならば、
乃公
(
おれ
)
の
笠
(
かさ
)
の
臺
(
だい
)
の
飛
(
と
)
ぶは
知
(
し
)
れた
事
(
こと
)
、
左樣
(
さう
)
なれば
破
(
やぶ
)
れかぶれ、お
前
(
まへ
)
の
御主人
(
ごしゆじん
)
の
家
(
いへ
)
だつて
用捨
(
ようしや
)
はない、
火
(
ひ
)
でもかけて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
破
(
やぶ
)
れたストーヴについて、
不自由
(
ふじいう
)
な
外出
(
がいしゅつ
)
について、
封
(
ふう
)
を
切
(
き
)
られた
手紙
(
てがみ
)
について、
不親切
(
ふしんせつ
)
な
軍医
(
ぐんい
)
について、
横
(
よこ
)
っ
面
(
つら
)
へ
竹刀
(
しない
)
を
飛
(
と
)
ばす
班長
(
はんちょう
)
について、
夜中
(
よなか
)
にみんな
叩
(
たた
)
き
起
(
おこ
)
す
警報
(
けいほう
)
について
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
ところが、まだいくらもいかないうちに、
嵐
(
あらし
)
におそわれて、はねが
破
(
やぶ
)
れはじめたんだ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
斜に差しかけた
破
(
やぶ
)
れ
奴傘
(
やっこ
)
で煙る
霖雨
(
きりさめ
)
を除けながら今しもこの髪床の前を通るところ。
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
が、新平は
翌日
(
よくじつ
)
の明け方、お
尻
(
しり
)
や
背中
(
せなか
)
の肉をさんざんに食い
破
(
やぶ
)
られ、命からがら
逃
(
に
)
げ帰って来た。新平は
驚
(
おどろ
)
きのあまり、死んだようになって、鬼退治の様子を話すことさえ出来なかった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
卷き貝の中には上部の
破
(
やぶ
)
れたるもの有り。是は
肉
(
にく
)
を
突
(
つ
)
き出したる
跡
(
あと
)
と思はる。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
然
(
さ
)
りとも
知
(
し
)
らぬミハイル、アウエリヤヌヰチは、
大得意
(
だいとくい
)
で、
佛蘭西
(
フランス
)
は
早晩
(
さうばん
)
獨逸
(
ドイツ
)
を
破
(
やぶ
)
つて
了
(
しま
)
ふだらうとか、モスクワには
攫客
(
すり
)
が
多
(
おほ
)
いとか、
馬
(
うま
)
は
見掛計
(
みかけばか
)
りでは、
其眞價
(
そのしんか
)
は
解
(
わか
)
らぬものであるとか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
が
先
(
ま
)
づ
其
(
そ
)
の
沈默
(
ちんもく
)
を
破
(
やぶ
)
りました。『
何日
(
いくにち
)
だね?』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
を
振向
(
ふりむ
)
き、
衣嚢
(
ポケツト
)
から
時計
(
とけい
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
し、
不安
(
ふあん
)
さうにそれを
眺
(
なが
)
めて、
時々
(
とき/″\
)
振
(
ふ
)
つては
耳
(
みゝ
)
の
所
(
ところ
)
へそれを
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
所詮
(
しよせん
)
此の経を
一〇一
魔道に
回向
(
ゑかう
)
して、恨をはるかさんと、一すぢにおもひ定めて、
指
(
ゆび
)
を
破
(
やぶ
)
り血をもて
願文
(
ぐわんもん
)
をうつし、経とともに
一〇二
志戸
(
しと
)
の海に
沈
(
しづ
)
めてし後は、人にも
見
(
まみ
)
えず深く
閉
(
と
)
ぢこもりて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
つぎに
允恭天皇
(
いんけうてんのう
)
の五
年
(
ねん
)
丙辰
(
ひのえたつ
)
七
月
(
ぐわつ
)
廿四
日
(
か
)
地震
(
ぢしん
)
、
宮殿
(
きうでん
)
舍屋
(
しやをく
)
を
破
(
やぶ
)
るとある。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
“破”を含む語句
破壊
打破
破局
破片
破損
破綻
驚破
素破
破落戸
破壞
切破
破目
看破
破滅
破障子
破衣
破風
破鐘
破屋
破裂
...