“破(ぱ)” の例文
これが西洋の習慣なのである。日本ではあることないこと何でも構わずに素(す)ッ破(ぱ)ぬく事は悪いことでも耻ずべき事でもないとされている。
裸体談義 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「素(す)っ破(ぱ)抜(ぬ)いちゃいけませんよ。——ところで親分、三日ばかり米沢町へ行って、巴屋の家の方へ泊ってやったものでしょうか」
何でも裡面の消息を素(す)っ破(ぱ)抜くと、大抵は皮肉か憎まれ口になる。「新東京の裏面」の一篇もまたこの例に洩れない。
あとで、船室に集まった皆が、ハワイでの収穫(しゅうかく)を話しあったとき、坂本さんが、ニヤニヤ笑いながら、ぼくとだぼ沙魚嬢のロオマンスを素(す)ッ破(ぱ)抜(ぬ)きました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
「ご所望しだいに素(す)ッ破(ぱ)抜(ぬ)きましょうか」こういって口もとを曲げて見せた。左の唇が癇(かん)のためでもあろうか、斜めに上へまくれ上がって、そこから犬歯が尖(とが)って見える。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
某華族や某富豪の家庭の素(す)っ破(ぱ)抜き記事が、次から次へと新聞を賑わした。デモクラ式男女関係を作る事が、新人の使命であるかのように思わるるに到った。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
この素(す)っ破(ぱ)抜(ぬ)きには、聴いているガラッ八の方が驚きました。
よく出鱈目や茶羅鉾(ちゃらっぽこ)を云って他人を瞞着しようとする時又は気がさしたり図星を刺されたり素(す)ッ破(ぱ)抜かれたりした場合なぞに、手が思わず鼻の処に行ったり又は何となくエヘンが出たりするのは
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
嘗(かつ)て、丸ビルの靴磨きが女事務員のブローカーである事が某雑誌で素(す)ッ破(ぱ)抜かれると、そのおやじは早速消え失せた。しかし、そのあとが決して消滅した訳ではない。石川や浜の真砂と同じ事である。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)