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破
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こは
ふりがな文庫
“
破
(
こは
)” の例文
栗色に塗られたペンキは
剥
(
は
)
げて、窓の
硝子
(
ガラス
)
も大分
破
(
こは
)
れ、ブリキ製の
烟出
(
けむだし
)
も
錆腐
(
さびくさ
)
ツて、見るから淋しい鈍い色彩の建物である。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
幸
(
さいは
)
ひに
一人
(
ひとり
)
も怪我はしなかつたけれど、借りたボオトの
小舷
(
こべり
)
をば散々に
破
(
こは
)
してしまつた上に
櫂
(
かい
)
を一本折つてしまつた。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
驅ること飛が如くなれば手帳へ字などなか/\書けず只
破
(
こは
)
れかゝりし臺の横木に掴まりて落ても怪我のないやうにと心に祈るばかりなり忽ちに二里を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
遊びに
耽
(
ふけ
)
れば是非思はぬいたづらもするもので、私は
此
(
この
)
日父の
言
(
いひ
)
つけを忘れてウツカリ桃の実を屋根へ
投
(
はふ
)
り挙げ、二階座敷へ近ごろいれた大版のガラス二枚
破
(
こは
)
し升た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
垣を引き捨て塀を蹴倒し、門をも
破
(
こは
)
し屋根をもめくり軒端の瓦を踏み砕き、唯一
ト
揉に屑屋を飛ばし二
タ
揉み揉んでは二階を捻ぢ取り、三たび揉んでは
某寺
(
なにがしでら
)
を物の見事に
潰
(
つひや
)
し崩し
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
だから老人の家は
破
(
こは
)
れかゝつてゐたけれど、室の中には大へんに立派な銀の燭台やら……世に在つた当時の名残を偲ばるゝ道具が沢山ありました。老人は詩を作ることが大へん上手でした。
首相の思出
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
徳利が
破
(
こは
)
れるといふ大活劇を演ずることも度々で、それは随分
弊
(
へい
)
が多かつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
は、
此土瓶
(
このどびん
)
を
布呂敷
(
ふろしき
)
に
包
(
つゝ
)
み、
背
(
せ
)
に
斜
(
はす
)
に
掛
(
か
)
けて
負
(
お
)
ひ、
自轉車
(
じてんしや
)
に
反身
(
そりみ
)
で
乘
(
の
)
つて
走
(
はし
)
らすのを、
後
(
うしろ
)
から
見
(
み
)
て
行
(
ゆ
)
く
佛骨子
(
ぶつこつし
)
が、
如何
(
どう
)
かして
自轉車
(
じてんしや
)
から
落
(
お
)
ちて、
土瓶
(
どびん
)
を
破
(
こは
)
したら
面白
(
おもしろ
)
からうと
呪
(
のろ
)
つたといふ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其
(
そ
)
れとも
物質
(
ぶつしつ
)
の
變換
(
へんくわん
)
……
物質
(
ぶつしつ
)
の
變換
(
へんくわん
)
を
認
(
みと
)
めて、
直
(
すぐ
)
に
人間
(
にんげん
)
の
不死
(
ふし
)
と
爲
(
な
)
すと
云
(
い
)
ふのは、
恰
(
あだか
)
も
高價
(
かうか
)
なヴアイオリンが
破
(
こは
)
れた
後
(
あと
)
で、
其明箱
(
そのあきばこ
)
が
換
(
かは
)
つて
立派
(
りつぱ
)
な
物
(
もの
)
となると
同
(
おな
)
じやうに、
誠
(
まこと
)
に
譯
(
わけ
)
の
解
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
である。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おかみさんは道端に茂つてゐる椿の大木の下に
破
(
こは
)
れた小さな辻堂の立つてゐるのを見て、その
砌
(
きざはし
)
に背中の物をおろした。あちこちで頻に鶏が鳴いてゐる。
買出し
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鹽尻の
茶店
(
ちやゝ
)
の爐に暖まり
温飩
(
うどん
)
掻込
(
かつこ
)
みながら是よりなら井まで馬車一輛雇ふ掛合を始む
直段
(
ねだん
)
忽ち出來たれど馬車を引來らず遲し/\と
度々
(
たび/\
)
の催促に馬車屋にては
頓
(
やが
)
てコチ/\と
破
(
こは
)
れ馬車を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
町立病院
(
ちやうりつびやうゐん
)
の
庭
(
には
)
の
内
(
うち
)
、
牛蒡
(
ごばう
)
、
蕁草
(
いらぐさ
)
、
野麻
(
のあさ
)
などの
簇
(
むらが
)
り
茂
(
しげ
)
つてる
邊
(
あたり
)
に、
小
(
さゝ
)
やかなる
別室
(
べつしつ
)
の一
棟
(
むね
)
がある。
屋根
(
やね
)
のブリキ
板
(
いた
)
は
錆
(
さ
)
びて、
烟突
(
えんとつ
)
は
半
(
なかば
)
破
(
こは
)
れ、
玄關
(
げんくわん
)
の
階段
(
かいだん
)
は
紛堊
(
しつくひ
)
が
剥
(
は
)
がれて、
朽
(
く
)
ちて、
雜草
(
ざつさう
)
さへのび/\と。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
或日の夕方近所の子供が裏庭の垣根を
破
(
こは
)
して、長い竹竿で梅の実を叩き落して逃げて行つた。
花より雨に
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
打つ危ない馬車に乘らるべきか
外
(
ほか
)
に馬車なくば破談にすべしと云へばナニお客樣途中で
破
(
こは
)
れるやうな事はございません
破
(
こは
)
れても上の屋根だけですから
轉
(
ころ
)
がり落る程の事は有ませんサアお乘りなさいと二十三四の
馬丁
(
べつたう
)
平氣なれば餘義なくこれに乘る二十三四の
小慧
(
こざかし
)
き
奴
(
やつ
)
客を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
或日の夕方近所の子供が裏庭の垣根を
破
(
こは
)
して、長い竹竿で梅の實を叩き落して逃げて行つた。
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
北には三角形なすジブラルタルの
岩山
(
いはやま
)
を見ながら地中海に進み入る時、自分はどうかして自分の乗つて居る此の船が、何かの災難で、
破
(
こは
)
れるか沈むかしてくれゝばよいと祈つた。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
“破”を含む語句
破壊
打破
破局
破片
破損
破綻
驚破
素破
破落戸
破壞
切破
破目
看破
破滅
破障子
破衣
破風
破鐘
破屋
破裂
...