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忽地
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たちまち
ふりがな文庫
“
忽地
(
たちまち
)” の例文
一時は腸に収まつて居ても、又何かの拍子で
忽地
(
たちまち
)
元に復して了ふので、いくら可愛想に思つても、
何
(
ど
)
う
為
(
す
)
る事も出来なかつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
頼んで片付んと
獨
(
ひとり
)
思案の其折から入來る兩人は
別人
(
べつじん
)
ならず日頃
入魂
(
じゆこん
)
の後家のお定に彼の
早乘
(
はやのり
)
の三次成れば長庵
忽地
(
たちまち
)
笑
(
ゑみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天高けれども報尽きては宝殿
忽地
(
たちまち
)
に崩れ、魔王の十善、善
大
(
おほい
)
なればとて
果
(
くわ
)
窮まれば業苦早くも逼る、人間五十年の石火の如くなるのみならず天上幾万歳も電光に等しかるべし
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
低い狭い
石室
(
いしむろ
)
の中は、墓場のように
鎮
(
しずま
)
り返っていた。が、
其
(
そ
)
の
寂寞
(
せきばく
)
は
忽地
(
たちまち
)
に破られた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わが
舌人
(
ぜつじん
)
たる
任務
(
つとめ
)
は
忽地
(
たちまち
)
に余を
拉
(
らつ
)
し去りて、青雲の上に
堕
(
おと
)
したり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
若者は何のと金剛力を出したが、
流石
(
さすが
)
は若者の元気に
忽地
(
たちまち
)
重右衛門は組伏せられ、火のごとき
鉄拳
(
てつけん
)
は
霰
(
あられ
)
とばかりその面上頭上に落下するのであつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
告
(
つげ
)
れば是さへ喜びて
忽地
(
たちまち
)
心地は能く成けり忠兵衞
直
(
たゞち
)
に
結納
(
ゆひなふ
)
を
揃
(
そろ
)
へる中に其日は
暮行
(
くれゆ
)
き
明日
(
あす
)
朝
(
あさ
)
の
間
(
ま
)
に品々を
釣臺
(
つりだい
)
三
荷
(
が
)
に
積登
(
つみのぼ
)
せ我家の
記章
(
しるし
)
染拔
(
そめぬき
)
たる大紋付の
半纒
(
はんてん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
忽地
(
たちまち
)
にして其の金光の一道は二道となり、三道となり、四道五道となり、奕々灼々として、火龍舞ひ、朱蛇驚き、萬斛の黄金の烘爐を溢れて光燄熾盛、
烈々煜
(
いく
)
々たる炎を揚ぐるが如くになると
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
糠雨
(
ぬかあめ
)
のおぼつかなき
髣髴
(
はうふつ
)
の中に、一道の薄い烟が極めて絶え/″\に
靡
(
なび
)
いて居て、それが東から吹く風に西へ西へと吹寄せられて、
忽地
(
たちまち
)
雲に交つて了ふ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
二種
(
ふたいろ
)
加
(
くは
)
ゆるゆゑ如何程
重
(
おも
)
き
癲癇
(
てんかん
)
なりともたゞ一二服を服用すれば
忽地
(
たちまち
)
全快なさんこと
霜
(
しも
)
に
沸湯
(
にえゆ
)
を注ぐに等き世にも
怪有
(
けう
)
なる
奇劑
(
きざい
)
なるは是迄
夥多
(
あまた
)
の人に用ゐ
屡々
(
しば/\
)
功驗
(
こうけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
忽
漢検準1級
部首:⼼
8画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“忽”で始まる語句
忽
忽然
忽焉
忽諸
忽々
忽如
忽必烈
忽必来
忽所
忽忘草