“垣覗”の読み方と例文
読み方割合
かきのぞ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、寧子ねねのことに限っては、彼のそうした賢い思慮と、彼の愚かな垣覗かきのぞきの心理とが、一箇の彼という中に、べつべつに働いていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それなら自力でそれをきわめ得るかと云うと、まあ盲目めくら垣覗かきのぞきといったようなもので、図書館に入って、どこをどううろついても手掛てがかりがないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この指一本、妙の身体からだかくした日にゃ、按摩あんまの勢揃ほど道学者輩がつえを突張って押寄せて、垣覗かきのぞきを遣ったって、黒子ほくろ一点ひとつも見せやしない、誰だと思う、おい、己だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)