“一盞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっさん66.7%
ひとつ11.1%
ひとつき11.1%
いつさん8.3%
いっぱい2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると幸(さいわい)小家の主人は、まだ眠らずにいると見えて、仄(ほの)かな一盞(いっさん)の燈火(ともしび)の光が、戸口に下げた簾(すだれ)の隙から、軒先の月明と鬩(せめ)いでいた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「まづその御意(おつもり)でお熱いところをお一盞(ひとつ)。不満家(むづかしや)の貴方(あなた)が一寸好いと有仰(おつしや)る位では、余程(よつぽど)尤物(まれもの)と思はなければなりません。全く寡(すくな)うございます」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
冷やかなる石卓(いしづくえ)の上にて、忙(いそが)わしげに筆を走らせ、小おんなが持て来る一盞(ひとつき)の珈琲の冷(さ)むるをも顧みず、あきたる新聞の細長き板ぎれに挿(はさ)みたるを、幾種(いくいろ)となく掛けつらねたるかたえの壁に
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今はたゞ料理菊でもない抛つたらかし咲かせの白き小菊の一二輪を咬んで一盞(いつさん)を呷ると、苦い、苦い、それでも清香歯牙に浸み腸胃に透つて、味外の味に淡い悦びを覚える。
菊 食物としての (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
丈「此方(こっち)でも聞きてえ事もあるから、有合物(ありあいもの)で一盞(いっぱい)やろう」